sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Science Lab.代表 中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。https://sales-science-lab.github.io/

インサイト営業の実践方法

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今回はインサイト営業(インサイトセールス)の実践方法について記載する。

 

インサイト営業については以前より記事に記載しご好評いただいているが、

 

「実際どのように実践したら良いのでしょうか?」

 

という問合せをいただいているので、

今回はその一つのポイントをお教えする。

 

キーワードは"現場主義"である。

 

そもそも、インサイト営業とは、

顧客がまだ気付いていないニーズを発掘し、提案していくというスタイルである。

 

この、"顧客がまだ自分自身でさえも気付いていないニーズ"を

営業マンが発掘することは非常に難易度が高い。

それ以前に、自分でわからないことが他人にわかるのだろうか、と思われるだろう。

 

従来の営業は、

顧客と接する営業マンが、顧客の顕在ニーズを取得しソリューションを提案してきた。

たしかにこれでは顧客のニーズを上回る提案はできない。

情報不足である。

 

しかしこれからのインサイト営業では、

顧客がその製品を利用している現場に営業が行き、そこで潜在課題を発見する。

(正確には、現場に行かないでもある程度は仮説ベースで提案できる)

 

これにより、顧客以上に現場のことを知る事ができれば

顧客に新たな気付きを与える提案をすることができる。

古いようだが、現場は絶対である。

 

先日、私自身がインサイト営業によって

高いスーツを買わされてしまったので、その事例を一部抜粋で紹介する。

 

スタッフ:以下、「ス」

自分:以下、「自」

 

ス:どのようなスーツをお探しで?

自:仕事用ですね

ス:失礼ですがどのようなお仕事です?

自:経営コンサルです

ス:となると、経営者の方とお会いになることや大事なプレゼンが多いのでしょうか?

自:そうですね

ス:でしたら、見た目も非常に重要になるご職業ですね

自:そうですね

ス:お若く見えますが凄いですね

自:見た目が年齢以上に若く見えてしまうんです、、

ス:そうでしたか。でしたらスーツで威厳や貫禄を出せるように

  セルフブランディングしてみませんか?

自:そんなことできるんですか?

ス:ラペル幅を太めにして貫禄を出して、パンツは細くなると

  若くなりすぎるのでワンタックのテーパードにして、

  釦は水牛の暗めの色味で、裾はダブルの4.5cmくらいにすると、、

  こんな感じになります。いかがでしょう?

自:めちゃくちゃいいですね。今までスーツでこんな提案されたことなかったので

  凄く欲しくなりました。僕に一着作ってください。

 

という感じで即決してしまった。

 

その後も、私の「こうしたい」に対し

「それではチープ感が出てしまいコンサルタントに相応しくありません。

こっちの方が良いですよ」

と、キツめのアドバイスが有り難かった。

 

これぞ真にインサイト営業である。

 

私は、何となく「お洒落なスーツが作れるのかなぁ~」程度で考えていたが、

自分でも気付いていなかった"スーツ(見た目)で仕事を有利にする"という

ニーズを発掘し、それを解決する提案をしていただけた。

 

これにより心が一気に"欲しい!"と傾いたのが実際の感想である。

 

このように、実際の商品・製品の利用現場を如何に知る(orイメージする)か、

が、インサイト営業の極意である。

 

この事例のように、以外と身近にインサイト営業をしている人が

いるかもしれないので是非回りを見渡して参考にしていただきたい。