身の回りの物を褒めることは鉄則
顧客の持ち物を見て、褒める。
これは常套手段だが、やはり非常にヒット率は高い。
競合より早く顧客との関係性を築く為には避けて通れない道ではないだろうか。
では、実際にどのようなところを見て、どう褒めるのか。
自分がよく話題にし、話が弾むものを挙げてみる。
・スーツ(服)
せめて、高級な生地か否か、くらいはパッと見で判断できるようになっておいた方が良い。
その上をいきたければ、ゼニア、ロロピアーナ、カノニコあたりの生地を見分けられるようになると良い。このあたりはこだわりがある人が多いから気付くと喜ばれる。
高級でも、ただ有名なだけのブランドは価値もわからずお金があるから着ているだけ、という人も多いのでアルマーニなどは敢えて触れる必要なし。
逆にツウすぎるブランドは言い当てるのは至難の業なのでそこまで勉強する必要は無い。
・靴(革靴)
革靴はパッと見てブランドがわかる靴が少ないが、5万円を超えてくるあたりになるとやはり高級感は違うので、「いい靴ですね、どこのですか?」程度に触れると良い。
こだわりのある人は、気付いてもらえたことに喜び、自慢してくる。
その際、言われたブランドを知っていることが重要。「それって××万くらいするんじゃないですか?!」と言えればGOOD。
もっと言えば、「○○かと思いました。」と付け加え、趣向の似たブランド名を挙げられるとなお良し。
ジョンロブ、エドワードグリーン、ベルルッティなどは相当なこだわり。最近多く感じられるのはサントーニやマグナーニあたり。
・ネクタイ
ネクタイは見るべきポイントが二つ。
ディンプル作りの巧さと生地だ。
グッチなどのこれ見よがしなものはスルー。
靴やスーツと同様、「ブランドはわからないけど良い素材」くらいわかるようにしておくと良い。
もう一歩頑張るのであれば、エルメスのオレンジ等、ブランドの特徴的な(代表的な)ものは押さえておくと喜ばれる&びっくりされる。
そういうこだわりのある人は大抵、ディンプルを上手に作るので、ディンプル作りの上手な人=良いネクタイをしている人、と思っても良いかもしれない。
・バッグ、財布、名刺入れ
このあたりはもう、値段も想像がつかないものも多い。が、"ザ・高級革ブランド"くらいは押さえておくと良い。最近持つ人が多くなってきている印象なのはValextra。
これも、わかると相当喜ばれる。
・ペン
ペンは高級品に手を出しやすい領域なのである程度網羅する。
鉄板のモンブランに始まり、パーカー、シェーファー、ペリカン、カルティエ、ウォーターマン、カランダッシュ、スワロフスキ、あたりはマスト。
・車
これは挙げ始めるとキリがないのだが、外車はある程度車種と価格はわかるくらいにしておくと良い。恐らく、変わった車に乗っている人は相当周囲からその話題を振られるのであまり刺さらない可能性があるが、一応知っていないと失礼にあたると思っておいた方が良い。
・時計
時計もこだわりが出る持ち物なので要チェック。
ロレックス、オメガ、タグホイヤーあたりはスルー。(大衆ブランド過ぎて話題にしても盛り上がらない)
時計ブランドの100万以上するような時計はある程度網羅しておけば話題には困らない。
最近だとウブロ率高め。その他、パネライ、オーデマピゲ、ブライトリング、フランクミュラー、ゼニスあたりは持っている人も一定数おりつつもこだわりのある人が着用している印象。
ざっとこのくらいである。
おわかりかと思うが、かなり知識が必要であり、マニアックになる。
だからこそ、そこにこだわりのある人は「気付いてもらえると嬉しい」のであり、結果、
仲間意識さえ芽生える。
これだけで顧客との関係性を築けるのであれば安いものだ。
特に、BtoCでは財力のある(太い顧客になり得る)人や、BtoBでの決裁権のある人が好むものばかりなので、そこについて行ける知識は、商品知識と同じくらい大事にすべきだ。
週末にデパートで直接ものを見て勉強するといい。
できればどれも一つずつで良いので、"良い物"を持っておくと良い。
営業マンは脚本家である
優秀な営業マンは皆、優れた脚本家であると言える。
しかも必ずハッピーエンドだ。
最後は契約を取る、というオチはいつでも変わらないのである。
その”契約にこぎ着ける”までのストーリーを描くのだ。
先の記事で観察→洞察→想像によってすぐれた嗅覚を持てる、と書いたが
このPDCAを自然と回せるようになると、自ずとストーリーができあがってくる。
これが、”脚本家”と言った理由である。
観察し洞察し想像する事によって、”この人はこういう話が刺さる”というのが見えてくる。
それは一回あたりの商談(短期的)でも、一ヶ月の付き合いでも(中期)、一年の付き合いでも(長期)でも同じだ。
数ヶ月先を見越して今、この話をしておこう。
あのとき、あんな話をしたからそろそろリマインドし記憶を定着させよう。
以前、握っていた条件が整ったからいよいよクロージングだ。
といった具合になる。
そうすると、毎回クロージングを掛けることで敬遠されるようなことも無く、
自然な流れでこちらの話に引き込むことが出来る。(悪く言ってしまえば、マインドコントロールにもなりかねないが)
この大きな流れを描けていると、たとえ一回の商談で反論に遭いハンドリングできなかったとしても余裕を持って何回かの商談で自然に流れを引き戻せる。
つまり大概のことは"何があっても想定内"となる。
常に先を予想できていればストーリーが生まれ、ストーリーが生まれれば余裕を持って様々なことに対応が出来る。余裕を持てると、自信も生まれ自然体で顧客と接することが出来る。
意外とこれが重要であり難しい。
”売りたい”、”売らなきゃ”という意識ばかりが先行すると余裕が無くなる。
”こうすれば売れる”とわかっていれば余裕を持って”人間らしく”接することが出来るのだ。
顧客の立場で考えて欲しい。
「買ってくれ!!」というオーラ向きだしで血眼になっている営業マンを信頼できるだろうか。
「嫌われたくない」と丁寧すぎる口調でカチコチになっている営業マンと仲良くなれるだろうか。
私だったら両方とも、「面倒くさい」とあしらってしまう。
なので、自分のストーリーを持ち、余裕を持ってありのままの自分で勝負して頂きたい。なぜならそれが一番、あなたの魅力が伝わるから。
勝負はそこからである。
是非、皆、営業マン兼脚本家であっていただきたい。
嗅覚は磨ける
「営業はセンスだ。」
これはとある大手証券会社の元トップセールスと対談した際に彼が言っていた言葉である。
センスとは?
才能なのか。
今ひとつ論理的に説明が付かない。
そこでディスカッションしていくうちに、”センス=チャンスやピンチをかぎ分ける嗅覚”ではないか、と定義された。
では嗅覚とは何か。
嗅覚を要素分解すると、、
①観察力
②洞察力
③想像力
となると私は考える。
実際の営業活動に落とし込んでみよう。
①観察
商談前、顧客の事を徹底的に調べる。その人はどのようなバックグラウンドを持ち、どのような人なのか。売りたい物に対する興味がありそうか、資金は豊富か、決定権を持っているのか、人間関係はどうか、などである。
また商談中は、どのような話に食いつくのか、持ち物の趣味はどうか、癖は何か、楽しいときや怒っているとき、喜んでいるとき、焦っているとき、イライラしているときにどのような表情をするのか、どのような行動を取っているか、など。
つまり、目で見て得られる(可視化できる)情報である。これが観察であり、この情報をいかに細かく正確に収集出来るか、である。
人より情報を持つ者が勝つ。
②洞察
英語で言うinsightである。
表面的に目に見えるものではなく、もっと深層にあるものに対する理解のことだ。
例えば、なぜこの人は今、怒ったのか?その理由を理解することが洞察だ。
もっと簡単なを挙げると、
・顧客が商談中に時計をちらちら見ている。
→”時計を見ている”と気付くのが観察。
→なぜ時計を見ているんだ?「何かこの後予定があって急いでいるんだ」と理解するのが洞察。
このように考えると非常に簡単だが、商談中の顧客の行動は無限にある。その中で、どこに目をつけ、どう理解するか、が重要である。
③想像
お気づきだろうか。この3つのポイントは時系列である。
目で見える物をしっかり見て観察し、その理由まで見通し、その後、想像する。
想像とは、今ある情報を元に、”自分がこうしたら相手はどう反応するか、どう思うか”という想像である。いわば仮説構築力でもある。
上記の例では、
・毎週月曜日はよく時計を見ている
→つまり月曜はこの後の時間に予定を入れているのかな。
→ということはいつもより30分アポイントの時間を早めよう。
→そうしたら商談に集中してもらえるな。
→その気遣いをサラッとアピールしたら気遣いに喜んでもらえるかな。
などと行動に落とし込む。
質の高い観察と洞察があれば、精度の高い仮説が立てられる。
つまり”こういう話を、このタイミングで、こういう言葉のチョイスで話したら、きっとこの人は買ってくれる”という想像をする。ストーリーを描くことが出来るのだ。
この3つの能力を磨くことが出来ていれば、顧客の反応や市場のアクションに対し競合より早く、正しい対応が出来る。これが、一般に”嗅覚がある”営業マンの実態である。
これを人は”センスがある”という一言で片付け、才能のせいにし、論理的に解釈し努力することを諦めているのでは無いだろうか。
是非、これを知った方は日頃から顧客をよく観察し、顧客を誰よりよく知り、精度の高い仮説を構築する癖をつけPDCAを回していって欲しい。業績は大きく飛躍するだろう。
【常識を疑う】10年連続おみくじ大吉を達成
私はここ10年、毎年連続でおみくじの大吉を引き当てている。
おみくじで大吉が出る確率は18%程度だと言われています。
と言うことは、18の10乗、つまり3570467226624の1の確率です。
約3.5兆分の1でしか起こりえない確率なのです。
地球上には2016年の情報で約73億の人がいます。
ということは全世界に一人未満の確率ということになります。
こんなことあり得ない、と思った方、正解です!!
どういうことか。
私は、10年連続で大吉、と言いました。
”毎年1度しかおみくじを引いていない”とは言っていません。
つまり、私は複数回おみくじを引いた年もあります。
人は自然に”こうあるべき”という常識がすり込まれています。
そして視野が狭まっています。
これはずるいのでしょうか。
わたしはそうは思いません。
誰が”おみくじは1度まで”と決めたのでしょうか。
いや、誰もそんなことは決めていません。
私は学生時代から毎年、”おみくじは大吉が出るまで引く”と決めていました。
誰に教えられたわけでも無く、なぜか
「なんでみんなは中吉や小吉で満足しているんだろう。」
、そう思ってました。
毎年大吉だとなにかいいことがあるのか、というと、特に何もありません。たぶん。
でも、私は”人生、一生大吉”だと思っています。
心持ち次第です。(無宗教ですので)
なにが言いたいかというと、、、
”自分の人生は可能な限り自分でコントロールする”という意識を持つこと、
”常識を疑うことで視野が広がる”ということです。
おみくじの話は一例であり、だから何だ、という話でもありますが、
普段なんとなく、
”言われたとおりに働く”
などを疑ってかかることで、新たなビジネスチャンスを見つけられることもあります。
そのような意識を持つことは営業で成功する上で非常に大事なことです。
fast思考とslow思考
営業に一番大事なスキルは、“考える力”だというのが私の持論だが、
“考える力”とはどのように意識し、伸ばすのか。
ここについて書いていきたい。思考方法も、技術である。
思考のし方について、二つの真逆の思考パターンがある。“fast思考”と“slow思考”である。
このfast思考(ファスト思考)とslow思考(スロー思考)というのは2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者ダニエル・カーネマンの提唱する理論である。
①fast思考
→直感や感情などから生まれる考えのことである。不安定な感情に左右されるものであり、顧客志向ではなく自分主義である。Give か TakeでいうとTake。このような思考パターンだ。
仕事に置き換えると、、
・どうやったら気に入られるか(媚びを売ることを考えてしまう)
・どうやったら買ってもらえるか(言いくるめることを考えてしまう)
・どうやったら改善できるか(悪いところ探しになってしまう)
などだ。
②slow思考
→本質を捉え、合理的な考えである。fast思考と逆で、感情に左右されず安定しており、自分より相手のことや社会に目を向ける。Give と TakeでいうとGive。このような思考パターンだ。
仕事に置き換えると、、
・自分の価値観を相手に与える(損得では無く自分をさらけ出し、相手に信用される)
・良いところを見つけて伸ばす(相手に安心と信頼を与え、好感を得られる)
・自分が学ぶ(説得するのでは無く自信が気付きを得る、という姿勢はかわいがられる)
などである。
営業活動においてどちらが良いかは一目瞭然である。
当然、slow思考だ。
fast思考の弊害としては、
・攻撃的思想
・偏見
・負の拡大
などを生む。
fast思考が悪いと言いたいわけではなく、
直感的な判断により本来抱かなくてもいいはずの不合理な判断を下してしまうのが危険であると主張したい。いわゆる消費者脳であり短絡的である。
意識していないと人は誰しも無意識にfast思考に陥ってしまうため、その傾向を知っておく必要がある。
何かを顧客にGiveし、長期的な目線でかつ合理的な判断で物事を捉える。一旦、消費の主体を自己から相手や社会に向けてみよう。
すると、すぐには結果に跳ね返らないかもしれないが、必ず状況は好転するだろう。
現代の資本主義による“消費社会”はまさにfast思考の塊と言える。
このような環境下において、一度足を止めてポジティブに、合理的に、Giveを意識した思考を心掛けてみて欲しい。そうして、自分だけでも無く顧客だけでも無く、“顧客と一緒に”成長し、Win-Winの関係を気付いた先に、売上拡大と自社への貢献・社会への貢献も自ずと生まれる感覚を掴めるのでは無いかと考える。
GAPで期待値コントロール
不良が善行をすると、ものすごく評価が上がる。褒められる。モテる。
これは誰もが知っていることではないか。
これが期待値コントロールに応用できる。
もちろん私は不良ではないが、ここから着想を得て営業活動に活かした。
このギャップを自ら作り出すセルフブランディングのし方と、注意点をお伝えする。(顧客に何度も顔を合わせるルート営業に非常に有効)
【私の事例】
①見た目でインパクトを残す。
・スーツを少し派手にする
・ネクタイ、ビジネス小物で個性を出す。
・健康的に見えるよう少し日サロで肌を焼く
などなど。
※お洒落感や清潔感は大事にしつつギリギリのラインを攻める
→”デキそう”と好評or”チャラそう”と不評かのどちらかの印象を持たれる。
②初商談の際には極めて謙虚に、物腰柔らかく、下から下からの姿勢を貫く。
(GAPその1、「え、意外。。」と思わせる)
・1トーン高い声で話す
・少しゆっくり喋る
・絶対にプッシュしない
→見た目とのGAPで顧客は少し拍子抜けする。”え?”と印象に残る。下手をすれば少し”気になる”くらいに思われる。
③2回目~、要点は押さえつつ”少し馬鹿なふり”をする。
(GAPその2、「あ、でもやっぱり見た目通りかな?でも憎めない」と思わせる期)
・趣味、遊び、時事ネタ等、顧客の食いつく話題で警戒感を解き、人対人の関係性で仲良くなる
・よく笑う
・失敗ネタで笑いをとる(自己開示)
・仕事関連の話は先方がニーズを見せたときのみ、適切に対応(勉強は怠らない)
※ここでも絶対プッシュしない
→信用は出来る。ただ、”ちょっとアホなのかな”くらいに思われる。
自分の弱みをさらけだし相手の警戒心を解きながらも良き相談相手に徹する。ここでニーズ把握。
④ニーズを把握し、打ち解けたら営業モードへ!
(GAPその3、「あ、でもやっぱり営業モードになったらこいつ、すごいな!」と思わせる期)
・ニーズに合致した提案をする
・否定的反応も準備通り余裕でハンドリング
・最後はがっちりクロージング
→関係性もできており、メリットも感じられる。信用しているし、彼なら大丈夫だろう。と思われる。
お気づきだろうか。GAPは二回作っている。下げて→上げて→下げて→上げる、と言った具合に。
不良の善行理論、恋愛でツンデレが相手の心を弄ぶ理論と同じ、いや、そのバージョンアップである。
さらには、チャンス到来まで爪を隠すことにより、
アイドルオタクの心理と同じように、”自分が成長させてやっている”感を持たせる事にもなる。
”意外!”と思わせるところがポイントである。が、失礼は無く、信頼も得ながら、というのが前提である。
相手を油断させ、期待値を抑えつつ、チャンスで全力を出す。
むしろ、チャンスをこちらから作りにいくのである。
はじめから”しっかりしているな”と思われても、普通の提案では”まぁそうだよね”程度にしかならない。
高低差をつけることで心理ハードルを下げ、より高く跳んだように感じさせるのだ。
各個人のキャラクターによる部分もあるが、原理原則として非常に有効である。
各人にあった形で応用していただければ幸いである。
インサイト営業とは
インサイト営業とは
インサイト営業(インサイトセールス)をしていくには、大きく分けて以下の4つの能力が必要である。
である。
①リサーチ
これはR-PDCAと別の記事でも書いたように、最も大事な基本である。
全ての商談のスタート地点は顧客を調べ上げ、よく知る事である。
有意義な情報が少なければ分析もできない、仮説も生まれない。
そうなれば商談で相手に刺さる話ができる確率は極めて低くなる。
市場データ以外でも、インターネット、ブログ、新聞、FaceBook、Twitter、本(論文)などはくまなくチェックすべし。
その人の趣味や、家族構成、出身地、持ち物、思想、興味のある話題がわかれば上出来である。
②分析
情報を集めたら分析である。
できるだけファクトで数字を集め、傾向を統計的にとりたい。
ある程度の企業では市場データくらいは手に入るのではないだろうか。
数字を眺める時間は長ければ長いほどよい。(よほど天才で無い限り)
市場データは、毎日眺め、毎日「こういう傾向があるかもしれない」、「ここのシェアが先月上がっている原因はあれか」、「今月動きが鈍いのはあれのせいだな」
などと考えているうちに新たな角度から考察できる瞬間がある。
これは精神論に近いが、こればかりは数字を読めるようになるには時間が必要なのである。
たとえて言うならば、競馬やパチンコの予想に近いかもしれない。または気候と潮の流れを読む釣り人の感覚に近いとも言えるかもしれない。
③仮説思考
データが集まったらひたすら頭の中でそれぞれを組み合わせる。
「こう言ったら刺さるかな」、「こうしたら喜ぶだろうな」、「こういう情報を求めているはず」といったシンプルな仮説ができあがる。
どんな営業マンでも考えることだろうが、この仮説の精度はケタ違いである。
ちなみに自慢だが、僕はルートセールス時代、会社から「1日に10軒訪問しなさい」と言われていた。
しかし僕は実際、平均で4~5軒程度しか訪問していなかった時期が多かった。(もちろん、力を入れる時期には活動量重視にしていた時もあるが)
それでも実績は人より圧倒的に良かったし、競合他社は「あいつはいつもいる」と警戒されていた。
いつ、どこに行き、誰に会うのが効果的か、熟知していたので生産性が極めて高かったのだ。そして実際、他の誰より売れていた。
④質問力
どれだけ精度の高い仮説を持っていても、それを真正直に商談で顧客にぶつけてしまっては宝の持ち腐れである。
インサイト営業では、「重要な事こそ質問する」スタイルであることを心掛けなければならない。
顧客は、営業マンから教わって嬉しいわけが無い。自分で気付きたいのである。
たとえそれが、わかりきっているほどの仮説だったとしても、"あくまで仮説"として質問し、相手自身に気付かせるのである。
それが相手の自尊心の保護にもなるし、気付きを得た喜びにも繋がる。
なのでインサイト営業では基本的に強いクロージングを必要としない、と僕は考えている。
ぜひ、ここまでマスターし、楽しく幸せな営業マンライフを送る人が一人でも増える事を切に願う。