sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Scientist中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。

【商談のゴールデンスタンダード】ビジョン共有編

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商談のゴールデンスタンダード、

ステップ3はビジョン共有である。

 

ステップ1,2で顧客との信頼関係を構築した後、

互いのビジョンを共有するステップを設ける。

 

これは、自分のビジョン、会社(プロダクト)のビジョン、

そして顧客のビジョンを聞き出すことである。

 

その仕事を通じて何を成し遂げたいのか、

どうなりたいのか、という夢である。

 

これはある意味関係性構築とも近しいのだが、

互いに思いに共感することで仲間意識が芽生える。

 

自分のビジョンでは視座の高さを示し、

プロとしてのポジションをより強固にする。

 

顧客のビジョンでは、

現状とビジョンの間にギャップを見出し、

その差分をニーズとして炙り出す。

 

通常、顧客ニーズを把握する際には

問題点を聞き出し、その足りていないポイントを把握する。

その数々ある問題点の中から、クリティカルなものを見極め、

課題として認識、提示する。

 

しかし、これが問題点の把握だけであると、

顧客の視座が低かった場合、

As-IsとTo-Beの差分が小さかった場合、

プロダクトの提供価値が小さく見えてしまう可能性がある。

 

その為、より大きなビジョンを描き、

現状との差分を大きく見せることでニーズを

洗い出すことが重要になる。

 

これは、特にB2Bであると

(且つ、顧客カウンターパートがアッパー層になればなるほど)

重要度を増す。

 

この好感獲得~ビジョン共有までのステップを

商談の冒頭に完遂できれば、その後の商談で

大崩れするリスクは大きく低減するので、

トークスクリプトや提案書のテンプレート、

アプローチブックの一部として組み込んでおくことをお薦めする。

 

【商談のゴールデンスタンダード】プロのポジション獲得編

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『商談のゴールデンスタンダード』ステップ2は

"プロのポジション獲得"である。

 

ステップ1で好感獲得ができたとしても、

まだビジネス的な信頼は持たれていない状態であるため

ビジネスのプロとして「この人の言うことは信頼できるから信じよう」と

思ってもらえる状態を目指す必要がある。

 

昨今はインターネットが普及し、

顧客と営業マンの間に情報格差が出来辛く、

顧客が賢くなった。営業がモノが売れない時代と言われている。

 

ひと昔前は、顧客と営業マンの間に情報格差が多かったため、

営業は"プロ感"を出すことが比較的容易であったので

今ほどこのスキルは重要ではなかった。

 

そんな現代だからこそ、

"狙って"情報格差を作りに行くことの重要性が増していると言える。

 

これができれば顧客から信頼され、

商談を進めやすくなる。

 

なので、商談の初期段階で、顧客の知らない情報

かつ中立的な情報(ここがポイント)を届けることが重要になる。

 

顧客心理としては、

『この人、めっちゃ詳しくて信頼できそう。しかも

自分の商品ばかり推さずに中立的なタメになる情報をくれる!』

という状態になっていればベストだ。

 

例えば、

・ネットに載っていない業界のトレンドや裏情報

・よくある購入の失敗例、成功例

・専門的な統計データに基づく示唆

などである。

 

「この商品を買うお客様はこういうところで失敗されるケースがあるのでお気を付けくださいね。」や、

「ここをカスタマイズする際は、こういう風にするといいですよ。なぜなら~~だからです。」などである。

 

これらの、顧客が知らずプロだけが知っている情報を

ストックし、顧客のより良い購買のために

中立的に提供することで信頼を獲得する。

 

さらにこの情報の信ぴょう性を増すために、

前段の自己紹介時に自分のビジネスでの経歴や実績を開示し

"すごい"と思われておくとより確固たる信頼が築けるだろう。

 

【商談のゴールデンスタンダード】好感獲得編

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以前の記事で『商談のゴールデンスタンダード』について記載した。

 

その第一フェーズが好感獲得である。

 

顧客と営業マンが初めてあった時、顧客は、

・こいつは誰だ?

・信用できるのか?

・高い物を買わされるのでは?

・時間の無駄になるのでは?

・話を聞かされるの面倒くさいな

など、多くの負の感情を抱く。

 

つまり、商談どころか、普通に会話をすることさえ

ままならない状態なのである。

 

一般的にデキる営業マンは掴みが上手で

すぐに顧客と仲良くなれると言われるが、

これは営業におけるアートの領域と言われている。

 

ただ、これは狙って実行することができる。

今回はその手法をご紹介する。

 

一番手っ取り早いのは自己紹介だ。

会社によっては自己紹介シートを用意することもあるのではないだろうか。

ただ、これをなんとなくやっている人が多い。

 

自己紹介とは、

自己開示をし、顧客の警戒心を解いた上で、

仲良くなるためのツールである。

 

ポイントは、

①人間的信頼の確保すること

②共通点探しにより興味を抱かせる

③自己開示により、顧客側も自分のことを話したくなる

 ⇒顧客情報の収集

である。

 

営業とは情報戦であり心理戦であるので、

顧客に心を開かせて情報をGetすることが重要になる。

 

その為、共通点を見つけるために

・血液型

・生年月日

・出身地

・居住地

・趣味

などを開示する。

 

例えば、初めて知り合った人が同じ中学校出身だと話が盛り上がる、

という経験をしたことがある方も多いのではないだろうか。

 

なので、この事象を狙って起こしに行くのである。

 

もう一つ事例を挙げると、

趣味の欄に、素直に自分の趣味を羅列する人が多い。

ただそれではダメだ。

共通点を見つけ易くするために、

インドアの趣味とアウトドアの趣味両方を記載するのである。

 

そうすれば、顧客がどちらの趣味でもキャッチすることができるためだ。

このように、狙って共通点を作りに行くことが

好感獲得のし方である。

 

自己紹介以外にも、

・身だしなみ

・所作

・挨拶

などでも好感獲得をできるが、

これらは好感を獲得するというよりは

不審に思われない最低限と捉えた方が良い。

 

これらは、さらにもう1レベル上げるのであれば、

ギャップを作りに行くことが良いだろう。

 

・強面なのに可愛い笑顔

・ゴリゴリ系なのに丁寧で落ち着いた話し方

・チャラそうなのに真面目な趣味

 

など、自己紹介と組み合わせてギャップを作りにいくのである。

 

これにより顧客は自分に対してより興味を抱いてくれるだろう。

これも、

『不良がごみ拾いをしていると超いいやつに見える』理論

と同じである。

 

このギャップを二回、狙ってできれば顧客の心は動かしやすくなる。

 

ネガポジ変換

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ネガポジ変換とは、

ネガティブ⇒ポジティブへの言い換えの事である。

 

営業のコンサルティングをしているとよく、

「この商品は〇〇だから売れない」という声をよく耳にする。

 

それは、「私は営業スキルがありません」と言っているようにさえ聞こえてしまう。

 

ほとんどの物には使い道や競合への勝ち目があり(何か一つでも)、

そこへ顧客を導けるかどうかが営業の腕の見せ所である。

(本当にスキルのある人は、水でも空気でも石ころでさえも売れる)

 

基本的に顧客は商品の良い点よりも、悪い点に目が行きがちなので、

その際に『短所を長所に見せる』というテクニックが必要になる。

それがネガポジ変換だ。

 

例えば、

根暗な人⇒真面目で信頼できそうな人

商品価格が高い⇒高級で良い素材の商品

使いづらい機能⇒プロフェッショナル向け

 

など、いくらでも言い換えることは可能である。

 

商談時に顧客は自分の意見を否定されると購買意欲が薄れてしまうので、

真っ向から否定するのではなく、一旦受け入れた上で

「こういう捉え方もできますよね」という形で提案していき、

徐々に考え方をこちら側へ引き寄せていくことで

顧客心理をコントロールしていくことが可能となる。

 

これを踏まえ、営業は自社商品の特徴を把握し

強みと弱みを洗い出した上で、

弱み⇒強みに変換できるトークを武器として常備し

商談に臨む必要がある。

 

これができるようになってくると、不測の事態でも

とっさに頭を回転させて臨機応変に言い換えて

対応することができるようになってくる。

 

営業パーソンにとっては必須のスキルになるだろう。

反論はNG。質問力だけで話を誘導する

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営業マンは日々様々な顧客の要望に応えるべく奔走している。

しかしその中で、多くの反論に対処しなければならない。

 

基本的には(特に製造業など)商品は変えられないので、

多様なニーズをどのようにその商品に結びつけられるかの

テクニックで業績が変わる。

 

商談の中では、「高すぎる」や、「こんな機能いらない」、「こんな事は出来ないか」

などの顧客の要望(少々わがままなニーズも多々ある)に出くわすことは多いだろう。

 

そんなときに、「そんなことないです!」や「そこをなんとか!」と

切り返してしまう営業マンは多いのではないか。

 

基本的に営業マンは反論をすべきではない。

 

なぜなら、購買の意思決定権者は目の前の顧客なのだから、

機嫌を損ねられては遠回りになってしまうため

相手の意見を否定する発言は避けた方がベターだ。

 

なので否定的な意見が顧客から出てきても、

「そうですね、確かにこれは高いと思われるかもしれません。ただ、~~~」と、

一度受け止めてから自分の言いたいことを言う方が得策だ。

 

いわゆるyes but法やyes and法である。

 

その上で、直接的に反論にならないように、

  1. デメリットを裏返して良いように言う=ネガポジ変換(ネガティブ⇒ポジティブ)
  2. 必ず質問で返す

この二つを意識するとよい。

 

例えば、、

客:「これ、高いねぇ。。」

営:「ええ、確かに高いかもしれないですね。ただ高いのには理由があります。これは~~~なので。長期的に見たら、短期間で買い換えなければならないものよりはお得だと思いませんか?」

 

よくあるケースではないだろうか。

①認める②ネガポジ変換する③質問する

 

これにより反論しないため顧客の心証を害することなく、

自然に自分の意見へと誘導出来るのである。

 

どのようなケースでも使えるテクニックなので、

顧客の想定反論を洗い出し、

それに対する応酬話法として準備した上で商談に臨むことをおすすめする。

 

優秀な営業マンが高い買い物をする理由

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優秀な営業マンの中には高価な買い物をする人が多い。

 

これには3つの理由がある。

  1. 良質な物を持ち、セルフブランディングする
  2. 良質なサービスを体験することで一流のサービスを提供できるようになること
  3. 自らを金銭的に追い込み目標達成意欲を増幅させる

この3つは以下の通りである。

 

1.

例えばスーツやネクタイ、靴、ボールペンなど。

印象を良くし、信用を増し、商談を彩る。

これによって受注確度を上げ最終的にその投資は回収する。

 

2.

レストランやホテルなど、確かなサービスの受けることにより

自然と場慣れし、自身の所作も変わる。

顧客のランクが上がれば上がるほど受注金額も上がるが、

同時にマナーや立ち振る舞いの見る目も厳しくなる。

そういった際に、この経験が問われるのである。

 

3.

そもそも、まだ大して成果を残していないにもかかわらず

数百万の時計を買ったり高級外車を買ったりし、

その後に大きな成功を成し遂げる人は多い。それがむしろ

トップセールスになる人の兆候とも言える。

若手芸人が"売れていないのにまず高い家に住む"という

自分へのプレッシャーと同じだ。

大金を払い、背水の陣で仕事をすることによって、

(特に営業職は頑張りですぐに給料が変わりやすいので)

業績を上げなければならない状態を作るのである。

 

このように、若いうちに格の高いモノやサービス、世界を体感、経験することで

自らの人間としてのレベルを引き上げ、それを業績に反映させる。

 

これはあくまでも感覚値になってしまうが、

トップセールスの共通項の一つと言える。

 

なかなか業績が上がらず困っている方はまず一回、

持ち物などにお金を掛け、形から入ってみてはいかがだろうか。

相づちで商談を制する

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一般的な優秀な営業マンのイメージは"話が上手"などに代表される、

アウトプットスキルである。

 

これは間違いではないが、世の中の一般的な営業マンは

決して皆、アウトプットが得意なわけではない。

 

そうなった際、よく営業組織でトレーニングに用いられる

ロープレはあまり有効な手立てとは言えない場合が多い。

 

なぜなら、ロープレとは質の高いアウトプットの練習のことだから

である。つまりこれだけでは片手落ちだ。

 

そこで重要になるスキルは相づちである。

 

最近になり、よく"ヒアリングが重要"や"質問力"というワードが

営業界隈でよく言われるようになっているが、そのヒアリングの

肝になるのが相づち力である。

 

喋り続ける営業マンは顧客から敬遠されるし、

一方で質問し続ける尋問型ヒアリングも嫌われる。

 

聴く→伝える の流れをスムーズにする役割を担うのが

相づちだと思っていただくと良いだろう。

 

思い浮かべてほしい。

あなたはいつもどんな相づちをしているだろうか?

それは意識的にやっているか?

あなたの相づちのレパートリーはいくつあるか?

 

ほとんどの人はあまり意識したことがないだろう。

 

ただ、この相づちが巧くなるだけで驚くほど商談はスムーズになり、

しかも主導権を握れるから驚きだ。

 

“そうなんですね(驚き/共感)”や

"そうですよね(納得)"などは鉄板フレーズだ。

 

これだけで顧客は自己肯定感を得て営業に対して"味方だ"と認識しやすくなる。

 

そこにさらに少し加えるだけで会話をコントロールできるようになる。

(例1)

客:今日は暑いですね。

営:そうですね、暑いですね(復唱する)。+今日は35℃もあるそうですね。or私も汗だくで。。

 

このように、シンプルに

【そうですね】+【復唱+です(よ)ね】+【+αの情報or感想】

の型に当てはめたトークをするだけで、

相づちを打っているだけのように見えて主導権を握れる。

そしてそれだけではなく次の質問や会話を切り出すことが容易になる。

 

 顧客は「聞いてくれている」、「共感してくれている」と感じ、

会話にストレスを感じなくなる。

 

この、コミュニケーションを円滑化することが、

営業する上での基盤になることを忘れてはならない。

 

コンサルティングをしていると、

あまりにこの共感する相づちができておらず、

顧客とコミュニケーションが成立していない営業マンが多いので

是非このブログを読んでいただいた方には

上記の型による相づちを実践してみていただきたい。

 

ぐっと会話がしやすくなるはずである。