sales_scientist_nakatani’s blog

「営業を科学する」Sales Scientist中谷真史のブログ。慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。その後、総合系コンサルティングファームを経て、営業・マーケティング領域の経営コンサルタントとして丸の内エリアのコンサルティングファームに勤務。

【Six human needsを理解して顧客を攻略する】

シックスヒューマンニーズを活用して営業をすると、

仮説の精度が上がり提案の打率が上がる。

 

シックスヒューマンニーズとは、「人間の6つの欲求」のことである。

これはマズローの五段階欲求説などに代表される、人間理解の

考え方(フレームワーク)の一つである。

 

人の行動は突き詰めていくとこの6つのうちどれかの欲求に突き動かされている、

という考え方である。

 

これを理解できていると、洞察力が高まる。

 

6つの欲求とは、

 

①安定感のニーズ

→安定したいという欲求

営業現場で考えるとたとえば、

⇒商品の安全性や信頼性が高い、だれか有力者が推奨している、実績が豊富、といったトークなど。

 

②不安定感のニーズ

→変化が欲しい、スリルが欲しいという欲求

営業現場で考えるとたとえば、

⇒世界初!や業界初の技術、取り組み、かつてまだない経験ができる新商品などハイリスクハイリターンなものの提案など。

 

③重要感のニーズ

→価値ある存在、自分はすごいと思われたいという欲求

営業現場で考えるとたとえば、

⇒一般に出回らない特別パーティーへの招待、上司や社長の表敬訪問、優先販売をするなど。

 

④愛情のニーズ

→誰かに愛されていたいというニーズ

営業現場で考えるとたとえば、

⇒人から好かれるような商品提案(モテるアイテムなど)、買った後のサポートでずっと担当者とつながっていられることのアピール、など。孤独感の反対である。

 

⑤成長のニーズ

→成長したいという欲求

営業現場で考えるとたとえば、

⇒before/ afterの劇的な変化(成長)を示す、ダイエットの効果や英語塾でTOEICxx点アップ、など。どんな将来像をイメージさせられるかが重要。

 

⑥貢献のニーズ

→何かに貢献したいという欲求

営業現場で考えるとたとえば、

⇒金銭や地位ではなく、その行動がいかに社会に役立つか、どれだけ人を喜ばせられるものか、のアピールなど。

 

これらを満たせるような提案を心がけることが大事である。

 

全てを満たそうとするのではなく、どれを満たせるのか、

顧客はどれのニーズが強いのかを把握し、提案することで、

顧客は"自分のことを考えてくれている(わかってくれている)"と感じ、

受け入れられる確率が格段に上がるのである。

 

 

結局、営業を突き詰めると心理学に帰結するのではないだろうか。

 

【マーケットインとプロダクトアウト】

営業は常にマーケットインを意識し続けなければならない。

 

簡単に言うとマーケットインとは、

顧客のニーズをもとに商品を開発したり、売り出すこと。

 

一方のプロダクトアウトとは、

生産者(メーカー側など)が主体となり売り出していくこと。

 

営業において言うと、

マーケットイン

→「(顧客のニーズをもとに)この商品だったらあなたにぴったりです」

 

プロダクトアウト

→「この商品はものすごく品質が高いんです」

といったようになる。

 

このように比較すると、

当然ながらマーケットイン型の営業の方が良いとわかると思うが、

残念ながらこれをできている人が少ないのが現状である。

 

日本ではかつてソニーに代表されるプロダクトアウト型の

企業が躍進を遂げてきた。

Made in Japan と言われるように、日本製の商品は品質が高い、というのが

日本メーカーの誇りであり、それが定着したことにより、

"良い製品を作れば売れる"という思考が定着している。

 

実際、多くの営業マンを見ていても、

商品に詳しく、説明も上手なのに売れない。という

悩みを抱えている方が非常に多い。

 

そのような方はほとんどの場合、

一方的に「この商品はいいですよ!」となってしまっている。

 

しかし現代のほとんどの企業は他社との差別化は難しく、

多くのサービスはコモディティ化している。

そんな中でプロダクトアウト型の営業をしても顧客には響かない。

 

商品やサービスに溢れている現代に顧客に受け入れられるためには、

"その数多くの商品やサービスの中で、如何に自社品が顧客ニーズに適しているか"

を伝えられることが大事になる。

 

これがマーケットイン型の営業である。

 

マーケットイン型の営業をするためには、

・顧客のニーズを知ること

・ニーズを聞き出した上で、顧客に最適な提案をすること

この二つが必要である。

その為には、

 

・一方的に喋らず質問ベースでニーズを聞き出すこと

・現状の不満足を顧客に認識させること

・その不満足に対する解決策としての提案をすること

 

この3ステップでの商談となる。

今までプロダクトアウト型の営業をしてきた人にとっては、

かなり喋るのを我慢しなくてはならないが、これにより

かなりクロージングの決定率が上がる。

 

そして、こうして成約すると、顧客は自己肯定感が生まれるので

その後の付き合いも持ちやすい。

 

一方的に喋っていてなかなか成約率の上がらない営業マンには是非試していただきたい。

【小さなYesを積み重ねる】

営業で"売る"ということは、

その商品を買って頂く事に対しYesと言って頂く。ということに等しい。

 

その為には、その商品を買って頂くために必要なKPIとなる、

いくつかの項目についてのYesを集めることをすれば良い。

 

AかつBかつCかつDであれば商品Eを購入する、という仮説を立て、

A,B,C,Dにあたる質問に対してYesと思って頂くのである。

 

例えば車の販売店の営業マンの場合、

①車の購入の必要性に対してYesをもらう

②自社(店)での購入メリットにYesをもらう

③この車の魅力にYesをもらう

という3つの条件を満たせば基本的には商談は合意となる。

(厳密には競合との比較や予算の問題などあるが)

 

もう少し詳細化すれば

例えば水を売りたい場合、このような質問の流れとなるはずだ。

 

・水を飲む事ってありますか??

→Yes.

・どんなときに飲みます?

→○○な時とかかな。

・外出先だったらペットボトルですかね?

→Yes.

・どの水が好きですか?(ボルビック、エビアンコントレックスなど)

→xxかな。

→xxおいしいですよね。僕も好きです。

・家に居るときは水道水ですか?

→Yes.

・それはなぜですか?家に水を常には置いていないからですか?

→Yes.

・普通そうですよね。ボルビックとか飲み慣れていると

 水道水ってやっぱりあまり美味しくないですよね?

→Yes.

・では、いつでも冷たくて美味しい水が

 家で飲めたら、それって良くないですか?

→Yes.

・しかもそれがコンビニのペットボトルより

 断然安かったとしたらかなり魅力的じゃないですか?

→Yes.

→安くて美味しいウォーターサーバーをいかがですか?

→Yes.=成約

 

ウォーターサーバーを売ったことはないがたぶんこんな感じになるだろう。

これを、一般的な営業マンは、

いつでも冷たくて美味しくて安く家でお水を飲めるウォーターサーバー

買いませんか?

といったトークフローで売ろうとするわけである。

 

何のニーズも掴まず、同意も得ず、こちらの意見だけ相手に押しつけたら、

買うどころか逆に不信感や不快感だけが残る。

そもそも一方的で、会話として成立していない。

 

営業のコンサルティングする中で、よく"トークフローの作成"という支援内容がある。

確かに、最低レベルの営業人材を平均点レベルへ引き上げる為であればトークフローは必要だが、このような仕事はコンサルティングの醍醐味からはほど遠い。

これは、一方的な押しつけ営業を量産することに荷担しているだけなので

自分自身、理想的な仕事からはほど遠く、何とも言えぬ気持ちになる。

 

ただ、なぜそれをやるかというと、

上記のような会話の中で"小さなYesを積み上げる"ができるレベルの人間が

世の中にほとんどいない、もしくは圧倒的少数であるからだ。

だからレベルを落とすことで営業マンのセールストークという品質を

低いながらも一定に保ち、なおかつ平均レベルを上げるという無個性なつまらない作業をするのである。これが、会社としては確実な業績向上になるのでそれは仕方ない。

 

このようにして育った営業マンは営業の事を楽しくないと言うだろう。

一方で"小さなYesを積み重ねる"ような営業をしている人は、

会話を楽しみ、人の心の動きを楽しみ、売れることで自分も喜び、顧客が喜んでくれることで自己肯定感も持ち、楽しく幸せになっていくはずである。

 

この手法を学びたい方はいつでもご連絡ください。

【怠け者のハイパフォーマーに学ぶ】

営業職に就いている方、周りに、“怠けて見えるのに売れている”という人は居ないだろうか。

そういう人はだいたい、人と違うことをしている。

 

そんな人が怠けなければより良いパフォーマンスを出せる。

だから行動を管理し、皆同じ活動量に引き上げよう、というのが一般的な管理職と、

コンサルタントの考えだ。

ロジック的には正しい。

しかし、それではうまくいくことはない。

 

怠けている時間にその人は何をしているか。

天才的な人は恐らく何もしていない。

ただ、天才ではない99%の人は、怠けるために仕事をしている。

(実は怠けていないのである)

 

どういうことかというと、

一般に"怠けている"と思われている理由は、“訪問していない”といった理由がほとんどである。

営業は確率の世界であり、

”商談数×成約率×単価=売上”

という方程式は変わらない。

 

この中で、商談数のみが即効性のある変数となるので、皆そこに着手するのである。

でも、怠け者のハイパフォーマーは、そのロジック以外の道を見つけ出している。

 

つまり、売上を上げるためには商談数を増やすよりも成約率を上げる方が、

楽をして効果が出せることがあることを知っているのである。

 

なのでその怠け者は商談しないでサボっている間に、市場の傾向を分析していたり、

顧客情報をリサーチしていたり、商談の流れを考えていたりと、戦術を考えていたりするのである。

そうすることで、商談あたりの成約率=生産性が上がる。

 

営業、というのは日本の商習慣にどっぷり浸かった極めて古くさい手法が未だ良しとされる一面がある。

これからの時代、この画一的な頭の固いスタイルでは時代に取り残されていくだろう。

 

この、怠け者のハイパフォーマーに、今後の日本の営業のヒントがあるのではないだろうか。

 

【自然体であり続けること】

営業=胡散臭い、ペテン師?

という印象を持っている人は多いと思います。

それはなぜか?

単純に、質の低い営業マンの印象がそれだからです。

 

パレートの法則に従えば、8割のセールスパーソンは営業職でありながらも

営業のプロフェッショナルではないと言えます。

 

そんな、顧客から煙たがれるような逆境で成果を残せるセールスパーソンはどんな人なのか。

それが、【常に自然体であり続けられる】人です。

これができる人は、本当に少ないと思います。

自然体で営業活動をすることは、営業マンであることを超えた存在とも言えます。

 

営業のレベルは

①商品のことすら正確に伝えられないまたはコミュニケーションが著しく低いレベル

②商品のことは伝えられても顧客からの信頼獲得までは至っていないレベル

③顧客とも仲が良く商品の情報も詳しく伝えられて営業として信頼獲得しているレベル

④人として、信頼を獲得し、顧客-営業という関係を超えたレベル

の4段階に分類できます。

 

③のレベルまでは努力と経験で直ぐに到達できます。

しかし④のレベルまで到達する人はほんの一握りです。

 

それはなぜか。

答えは、「③が正解。③がトップレベル」と皆信じているし、

会社でそう教育されるからです。

皆、④のレベルを知らないのです。

 

そして、④のレベルに到達する為に大事なことのキーワードが、

"自然体"です。

 

営業マンは、

・正確に情報を伝えなければならない

・売らなければならない

・顧客に失礼があってはならない

などの様々な心理的ハードル(制限)があります。

 

これによって、伸び伸びした人は少なくなります。

要は、ビビっているのです。これで怒られたらどうしよう、、などと。

 

ただ、逆の立場になると、どちらを信じるかと言えば、

優秀な営業マンの意見<親友の意見

だったりしないでしょうか。

であれば、親友のような営業マンであれば良いのです。

 

なので、③までのレベルに到達したうえで、友達に話すかのように

セールストークを繰り広げられれば最強ですよね。

なので自然体が大事なのです。

(ただ、最低限のマナーや言葉遣いは抑えておく必要がありますが)

 

あくまで"営業感"を出さず、"お話しをする"という営業スタイルです。

この手法で私は実際に他社セールスと差別化をしていました。

 

こうすることによって顧客は、無理に営業の話を聞かされている感覚はなくなり

心理的な抵抗感は薄れますし、そこで"人として"仲良かったり信頼していれば

かなり購買ハードルは引き下げられます。

 

このレベルに到達するには、息を吸うように営業トークができる(無意識でできる状態)くらいにならないとできません。

 

これはよくあるベテラン営業のハイパフォーマーの共通点です。

これを若手ができたらすごい成果を出せるでしょう。

 

自分が顧客の立場になって考えてみたら、"頑張っている"感の出た営業マンなんて、

面倒くさいですよね。

頑張ってナンパするほど女性は引っかからず、一見無欲そうに見えるダンディーなおじさんが意外とモテるのと同じ原理だと思います。

 

【ザイオンス効果×刷り込み効果】

"ザイオンス効果"という言葉はご存知だろうか。

日本語で言うところの、"単純接触効果"である。

 

よく、恋愛でこの効果について語られることが多いのだが、

むろん、営業に関しても同じである。

 

これはアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果のことである。

 

どのようなものかというと、

"人間関係において、相手のことを知れば知るほど(会う回数が多ければ多いほど)

相手に好意を持ち、信頼しやすくなる"

という効果である。

 

心理学なので当然、恋愛においても営業においても原則適用できる。

 

このザイオンス効果と、"刷り込み"を掛け合わせることで、

相手を不快な気持ちにさせることなくクロージングし成約に至る確率を

グッと上げる事が出来る。

 

これは小さなテクニックで、直ぐに実践できるものだが、

単純に"知らない"、"意識していない"というもったいない営業マンがほとんどである。

 

では営業でどのようにこの二つの効果を活用するか。

 

①出来るだけ多く、顧客と接点を持つ(訪問、商談会数)

②何度もリマインドし思い出させる

 

これだけである。非常にシンプル。

 

顧客は自分以外にも数多くの営業マンからアプローチされており、

その数は、残念ながら市場の大きい顧客であるほど多いのが常である。

何十社もの営業マンが狙っていることは珍しくない。

 

そこでどれだけいい話をしても直ぐに内容を忘れられてしまうのは想像に難くないのではないだろうか。

 

だからこそ、自分・商品を徹底的に相手の意識に定着させることが成約への大きな第一歩となる。

 

ただ、"単純に訪問、商談の回数を増やせばいい"という訳ではない。

それではただただ労力を割き、生産性を落として疲弊するだけである。

なので効率よくPRしなければならない。

 

方法としては、

①接触回数

→普段と違う場所で会う、普段と違う時間帯に会うなど、

たとえ、商談出来ないような会い方でも良いので回数を稼ぎ自分の存在をアピール。

→他の営業より顧客に会い、印象が残るだけでイメージアップ。

 

②リマインド

→ことあるごとに、「先日お話しした××の件ですが、、」と口に出す。

大事なことは何度でもリマインドし、徹底的に記憶に定着させる。

ただ、目的は、"相手に伝えること"ではなく、"思い出す作業をしてもらう"こと。

→何度も思い出し、商品や商談内容を深く理解するようになる。

「知っている」ではなく「理解している」となることで"納得"する。

これは営業マンに説得される行為ではないところがポイント。

これにより自主的に購買行動に至る。

 

また「先日お話しした××の件」という際の××は、製品の特徴である必要なない。

過去に自分とその顧客が話した会話内容を思い出してもらうのだ。

 

こうして、ザイオンス効果で"自分"を売り込み、

リマインドで"商品"を記憶し理解してもらう。

 

これが、参入プレーヤーの多い業界においては、最大の競合優位性となる。

 

こうすることによって、

顧客から見た、【自分の価値×商品理解】が最大になったとき、売上は飛躍的に伸びる。

 

"押し売り"で相手の意思を汲まない営業が通用しない時代になっているからこそ、

"顧客が自分の意思で選択する"ための心理的アプローチが必要である。

【偶然を装うことで親近感を増す】

顧客のことは徹底的に調べる。

すると、趣味趣向、思考パターンがわかり、行動パターンも予測が出来るようになってくる。

 

ある程度、その人がいつ、何をするかどこに行くか、わかるようになってくる。

 

関係を深めるために接触機会を増やしたくて、

「今がチャンス!」とばかりにアプローチすると、

せっかくのリサーチが水の泡だ。

 

調べ上げた情報を活用する際はあくまでも、さりげなく。

これが鉄則である。

 

相手の立場になってみれば容易に想像が付くが、

「この間、××にいましたよね!」とか、

出くわして、待っていましたと言わんばかりに声を掛けたりすると、

「こいつストーカーかよ」となってしまう。

非常に気持ち悪い行為だ。

 

「あれ?もしかして××にいました?」と後日、話題にしたり、

知らぬ顔ですれ違い、相手から声を掛けられるのを待ったり、

何度かあっても「あ、奇遇ですね。行動パターンが一緒ですね。」と、

偶然を装う。

 

こういったことが重なると、次第に相手がこちらのことが“気になる存在”になる。

そうすれば、勝負ありだ。

 

相手の方から勝手に「気が合うよね」と思ってくれる。

こうなれば、商談は格段にスムーズに進む。

 

よっぽど落としたい顧客でなければ、ここまでプライベートの時間を使ってまで

ストーキングのような手を使わないが、そこまでする相手だからこそ、

はやる気持ちを抑えてジリジリを関係を作り近づいていくことだ。