sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Scientist中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。

【商談のゴールデンスタンダード】オブジェクションハンドリング

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『商談のゴールデンスタンダード』ステップ6は“オブジェクションハンドリング”だ。

 

“オブジェクションハンドリング”とは、

顧客の否定的な反応(反論)をいなす術である。

 

大概の顧客は「営業に言いくるめられたくない」という心理から、

その商品やサービスの穴を突く質問を投げかけてくる。

 

近年はWebの発達に伴い、

商談の事前にその商品やサービスについて情報収集していることが多く、

的確に弱みを突いてくることが多い。

 

これをうまくハンドリングできなければ致命傷となり、

「やっぱりこの商品ではだめだ、他の商品にしよう」となる。

 

一方、Webに情報が転がっているからこそ、

ある程度そのオブジェクションは

予測可能なものとなるのである。

 

事前に突っ込まれそうなオブジェクションは洗い出し、

それに対しハンドリングするためのトークスクリプトを用意しておくと良いだろう。

 

なお、その際のポイントは、

"こちらは反論しない"ということだ。

 

多くの営業マンは、事前に顧客の反論を想定できておらず、

オブジェクションに対し、

「いや、そうじゃないです」と反論してしまう。

 

顧客は、営業マンに言い返されてうれしいことは一つもない。

ここが気を付けなければならないポイントだ。

 

事前に想定し、”質問で誘導する”ことが必要なのである。

 

オブジェクションに対し、

導きたいアンサーを設定し、

・なぜそう思ったのですか?

・確かにそういった考えもできますね。

・ではほかの切り口で考えるとどうでしょう?

・あなたの最も解決したい課題は○○ですよね?

・では解決策AとBどちらが最適でしょうか?

・全てを叶えようとするとどういった問題が発生すると思いますか?

 

などの質問で、誘導していくのである。

 

顧客が最も腹落ちする瞬間は、"自分で気づいたとき"だからだ。

 

Why やオープンクエスチョン/クローズドクエスチョンを織り交ぜながら、

顧客に気づいてもらえるよう、

ハンドリングトークを設計していこう。

 

そうすれば、顧客の身障を害することなく、

自社商品へと導いていけるようになるはずだ。

 

【商談のゴールデンスタンダード】期待値調整

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『商談のゴールデンスタンダード』ステップ5は "期待値調整"である。

 

ステップ1~4で顧客から信頼され、かつニーズを発見/創出すると、

顧客の期待値は上がる。

 

この期待値を調整できなければ、

結局“御社の商品では課題解決できないのね”と、

逆に失注理由にもなりかねない。

 

だからこそこのタイミングでの期待値調整が必要になるのである。

 

一旦、ここまでで洗い出したニーズを整理し、

その中で肝となるベイビーステップを定義してあげることで

顧客のニーズを営業マン主導で定義付けるのである。

 

ステップとしては、

①~こういう課題があるんですね

②それってつまり、こういうことですよね?根本課題は○○です。

③なぜなら、○○だからです。

④これを解決すると、このようにメリットがあります。

⑤ただ、その先にはこういう課題が新たに出てきますがこのように解決しましょう。

 

といったように、

会話の主導権を握り、引き続きプロのポジションを確保したまま

顧客をナビゲートする。

論拠とメリット、そして未来への展望を示すことで

顧客は営業を信じた状態で"Yes"とう頷くこととなる。

 

ただ、その際には顧客の言うことを正しく聞くヒアリング力、

顧客の意見をまとめる理解力、サマリー力、

そして経験や知識に裏付けされた論拠を持たなければこれは即座に実行することができない。

 

一方、これができれば顧客からの信頼は揺るがず、

顧客をコントロールするための基礎となる。

 

顧客の要望というものは、コントロールに失敗すると

”あれもこれも”となり、とめどなく溢れ出てくるので、

この段階でしっかり押さえておくことがポイントとなる。

 

是非、上記のフローに合わせて実施してみてほしい。

【商談のゴールデンスタンダード】問題点特定

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ビジョン共有の次なるステップが問題点特定である。

ビジョン共有と問題点特定の2ステップを合わせて、

"ニーズ把握"と定義する。

 

多くの場合、ニーズ把握はこの問題点特定だけのことを

指すケースが多いが、問題点特定のみだと

 

・顧客が自分で自分の問題点を把握しているケース

・顧客が現状に満足してしまっているケース

 

などにおいては、問題点特定のヒアリングが

退屈で時間の無駄に感じられかねない。

『いや、知ってるし。』と思われてしまうのである。

 

なのでそうならないよう、

前段階で大きな話をして顧客の視座を上げて

現状とのGAPを大きく見せてから道を示してあげることで

現状の問題点や課題が浮き彫りになり

それが腹落ちするようになる。

 

なので、ビジョン共有⇒問題点特定という

流れを作ることが大事になるのである。

 

特に、商談の相手が経営者クラスになればなるほど

この流れは重要になり、

ビジョン(経営)から逆算した課題として認識していただくことで

その後の提案の刺さり方が大きく変わってくる。

 

このような流れを作ることによって、

ただのヒアリングだと思われがちな"ニーズ把握"という

ステップにおいても商談の主導権を握り、

顧客を誘導できる【ナビゲーションセールス】が実現する。

 

【商談のゴールデンスタンダード】ビジョン共有編

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商談のゴールデンスタンダード、

ステップ3はビジョン共有である。

 

ステップ1,2で顧客との信頼関係を構築した後、

互いのビジョンを共有するステップを設ける。

 

これは、自分のビジョン、会社(プロダクト)のビジョン、

そして顧客のビジョンを聞き出すことである。

 

その仕事を通じて何を成し遂げたいのか、

どうなりたいのか、という夢である。

 

これはある意味関係性構築とも近しいのだが、

互いに思いに共感することで仲間意識が芽生える。

 

自分のビジョンでは視座の高さを示し、

プロとしてのポジションをより強固にする。

 

顧客のビジョンでは、

現状とビジョンの間にギャップを見出し、

その差分をニーズとして炙り出す。

 

通常、顧客ニーズを把握する際には

問題点を聞き出し、その足りていないポイントを把握する。

その数々ある問題点の中から、クリティカルなものを見極め、

課題として認識、提示する。

 

しかし、これが問題点の把握だけであると、

顧客の視座が低かった場合、

As-IsとTo-Beの差分が小さかった場合、

プロダクトの提供価値が小さく見えてしまう可能性がある。

 

その為、より大きなビジョンを描き、

現状との差分を大きく見せることでニーズを

洗い出すことが重要になる。

 

これは、特にB2Bであると

(且つ、顧客カウンターパートがアッパー層になればなるほど)

重要度を増す。

 

この好感獲得~ビジョン共有までのステップを

商談の冒頭に完遂できれば、その後の商談で

大崩れするリスクは大きく低減するので、

トークスクリプトや提案書のテンプレート、

アプローチブックの一部として組み込んでおくことをお薦めする。

 

【商談のゴールデンスタンダード】プロのポジション獲得編

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『商談のゴールデンスタンダード』ステップ2は

"プロのポジション獲得"である。

 

ステップ1で好感獲得ができたとしても、

まだビジネス的な信頼は持たれていない状態であるため

ビジネスのプロとして「この人の言うことは信頼できるから信じよう」と

思ってもらえる状態を目指す必要がある。

 

昨今はインターネットが普及し、

顧客と営業マンの間に情報格差が出来辛く、

顧客が賢くなった。営業がモノが売れない時代と言われている。

 

ひと昔前は、顧客と営業マンの間に情報格差が多かったため、

営業は"プロ感"を出すことが比較的容易であったので

今ほどこのスキルは重要ではなかった。

 

そんな現代だからこそ、

"狙って"情報格差を作りに行くことの重要性が増していると言える。

 

これができれば顧客から信頼され、

商談を進めやすくなる。

 

なので、商談の初期段階で、顧客の知らない情報

かつ中立的な情報(ここがポイント)を届けることが重要になる。

 

顧客心理としては、

『この人、めっちゃ詳しくて信頼できそう。しかも

自分の商品ばかり推さずに中立的なタメになる情報をくれる!』

という状態になっていればベストだ。

 

例えば、

・ネットに載っていない業界のトレンドや裏情報

・よくある購入の失敗例、成功例

・専門的な統計データに基づく示唆

などである。

 

「この商品を買うお客様はこういうところで失敗されるケースがあるのでお気を付けくださいね。」や、

「ここをカスタマイズする際は、こういう風にするといいですよ。なぜなら~~だからです。」などである。

 

これらの、顧客が知らずプロだけが知っている情報を

ストックし、顧客のより良い購買のために

中立的に提供することで信頼を獲得する。

 

さらにこの情報の信ぴょう性を増すために、

前段の自己紹介時に自分のビジネスでの経歴や実績を開示し

"すごい"と思われておくとより確固たる信頼が築けるだろう。

 

【商談のゴールデンスタンダード】好感獲得編

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以前の記事で『商談のゴールデンスタンダード』について記載した。

 

その第一フェーズが好感獲得である。

 

顧客と営業マンが初めてあった時、顧客は、

・こいつは誰だ?

・信用できるのか?

・高い物を買わされるのでは?

・時間の無駄になるのでは?

・話を聞かされるの面倒くさいな

など、多くの負の感情を抱く。

 

つまり、商談どころか、普通に会話をすることさえ

ままならない状態なのである。

 

一般的にデキる営業マンは掴みが上手で

すぐに顧客と仲良くなれると言われるが、

これは営業におけるアートの領域と言われている。

 

ただ、これは狙って実行することができる。

今回はその手法をご紹介する。

 

一番手っ取り早いのは自己紹介だ。

会社によっては自己紹介シートを用意することもあるのではないだろうか。

ただ、これをなんとなくやっている人が多い。

 

自己紹介とは、

自己開示をし、顧客の警戒心を解いた上で、

仲良くなるためのツールである。

 

ポイントは、

①人間的信頼の確保すること

②共通点探しにより興味を抱かせる

③自己開示により、顧客側も自分のことを話したくなる

 ⇒顧客情報の収集

である。

 

営業とは情報戦であり心理戦であるので、

顧客に心を開かせて情報をGetすることが重要になる。

 

その為、共通点を見つけるために

・血液型

・生年月日

・出身地

・居住地

・趣味

などを開示する。

 

例えば、初めて知り合った人が同じ中学校出身だと話が盛り上がる、

という経験をしたことがある方も多いのではないだろうか。

 

なので、この事象を狙って起こしに行くのである。

 

もう一つ事例を挙げると、

趣味の欄に、素直に自分の趣味を羅列する人が多い。

ただそれではダメだ。

共通点を見つけ易くするために、

インドアの趣味とアウトドアの趣味両方を記載するのである。

 

そうすれば、顧客がどちらの趣味でもキャッチすることができるためだ。

このように、狙って共通点を作りに行くことが

好感獲得のし方である。

 

自己紹介以外にも、

・身だしなみ

・所作

・挨拶

などでも好感獲得をできるが、

これらは好感を獲得するというよりは

不審に思われない最低限と捉えた方が良い。

 

これらは、さらにもう1レベル上げるのであれば、

ギャップを作りに行くことが良いだろう。

 

・強面なのに可愛い笑顔

・ゴリゴリ系なのに丁寧で落ち着いた話し方

・チャラそうなのに真面目な趣味

 

など、自己紹介と組み合わせてギャップを作りにいくのである。

 

これにより顧客は自分に対してより興味を抱いてくれるだろう。

これも、

『不良がごみ拾いをしていると超いいやつに見える』理論

と同じである。

 

このギャップを二回、狙ってできれば顧客の心は動かしやすくなる。

 

ネガポジ変換

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ネガポジ変換とは、

ネガティブ⇒ポジティブへの言い換えの事である。

 

営業のコンサルティングをしているとよく、

「この商品は〇〇だから売れない」という声をよく耳にする。

 

それは、「私は営業スキルがありません」と言っているようにさえ聞こえてしまう。

 

ほとんどの物には使い道や競合への勝ち目があり(何か一つでも)、

そこへ顧客を導けるかどうかが営業の腕の見せ所である。

(本当にスキルのある人は、水でも空気でも石ころでさえも売れる)

 

基本的に顧客は商品の良い点よりも、悪い点に目が行きがちなので、

その際に『短所を長所に見せる』というテクニックが必要になる。

それがネガポジ変換だ。

 

例えば、

根暗な人⇒真面目で信頼できそうな人

商品価格が高い⇒高級で良い素材の商品

使いづらい機能⇒プロフェッショナル向け

 

など、いくらでも言い換えることは可能である。

 

商談時に顧客は自分の意見を否定されると購買意欲が薄れてしまうので、

真っ向から否定するのではなく、一旦受け入れた上で

「こういう捉え方もできますよね」という形で提案していき、

徐々に考え方をこちら側へ引き寄せていくことで

顧客心理をコントロールしていくことが可能となる。

 

これを踏まえ、営業は自社商品の特徴を把握し

強みと弱みを洗い出した上で、

弱み⇒強みに変換できるトークを武器として常備し

商談に臨む必要がある。

 

これができるようになってくると、不測の事態でも

とっさに頭を回転させて臨機応変に言い換えて

対応することができるようになってくる。

 

営業パーソンにとっては必須のスキルになるだろう。