sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Science Lab.代表 中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。https://sales-science-lab.github.io/

ハーマンモデルで顧客を理解する

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今回はハーマンモデルのお話しである。

 

営業をするすべての人は、

"このお客さんとは話が合うな"、"この人苦手だな"と

感じたことがあるはずだ。

 

実際、誰とでも良好なコミュニケーションをとることは

非常に難しく、これを生まれながらにしてできる人は

天性の才能を持っていると言えるだろう。

 

ただ、営業マンはどんなタイプのお客さんからでも受注しないといけないし、

大口顧客のカウンターパートが苦手なタイプの人だということも

往々にしてあるだろう。

 

そんな時に非常に参考になるのが、このハーマンモデルだ。

(下記リンク参照)

www.herrmann.co.jp

 

人には思考のパターンがある。

性格というより、意思決定の際に出るクセともいえる。

 

 日本では営業が強い会社と言われるリクルートの提唱する

ソーシャルスタイルなどが有名であり、考え方は非常に近いが、

 ハーマンモデルはより脳科学や心理学に近い領域ともいえるだろう。

 

ハーマンモデルでは人の思考パターンを

赤・青・黄・緑の4パターンに分類し、

どのような意思決定をする人なのかを概ね見分けることができるので

性格診断と近いイメージで自分と顧客の性格を可視化できる。

 

正確には診断をしないとわからない部分もあるが、

一度自分で簡易診断をやってみたり、

仲のいい同僚にやってみてもらうことで

”やっぱり彼は赤だよね”などの納得感があるはずだ。

 

これにより、”あのお客さんは青っぽいよね”などがわかってくる。

ちなみに、各タイプを紹介するとざっくり以下の通りだ。

 

【赤】

・エモーショナル

・人間関係重視

・感覚派

 

【黄】

・ビジョン先行型

・アイデアが豊富

・冒険心溢れる

 

【青】

・論理的

・分析が得意

・じっくり考えるタイプ

 

【緑】

・計画的

・コツコツ粘り強い

・ミスをしない堅実タイプ

 

などである。なんとなく自分がどこに属すか当たりがついただろうか?

 

リンクを見ていただくとわかると思うが、

赤の両隣は緑と黄、黄の両隣は赤と青、

緑の両隣は赤と青、青の両隣は緑と黄となっている。

 

基本的に隣り合う色の要素を持ち合わせることは多いので、

完全に赤、というのではなく、黄色の要素をもった赤、なども存在する。

 

これを理解することで、例えば

・『このお客さんは赤っぽいから人間関係重視でアプローチしよう』

・『このお客さんは青っぽいから統計データを中心にプレゼンしよう』

・『このお客さんは黄っぽいからプロダクトビジョンで攻めよう』

・『このお客さんは緑っぽいから着実にリスクを一つ一つヒアリングして潰していこう』

 

などの攻め手を立案することができる。

これにより商談時の仮説の精度が高まり、

受注の確度が上がる。

 

実際に僕が製薬会社の営業のときに、

顧客ごとに提示するデータの内容などのアプローチを変えたり、

振る舞いでもポップな感じで接するお客さんと

ロジカルな感じで接するお客さんなどと使い分けていたりした。

 

こうすることで、全顧客と仲良くなれるかはわからないが、

全顧客に売れる、というアプローチをできると思うので

是非、実践してみていただきたい。