【商談のゴールデンスタンダード】アンカリング編
【商談のゴールデンスタンダード】ステップ7はアンカリングだ。
sales-scientist-nakatani.hatenablog.com
アンカリングという言葉に聞き覚えのある人はあまり多くないと思うが
これは商談における最大の武器であり
営業の腕の見せ所になる。
一言で説明すると、
"お客さんが商品を選択する際の判断基準を設定すること"である。
これは詐欺師のマインドコントロールに似た手段なので悪用厳禁である。
多くの商品の中から自社商品を選んでもらうにあたって、
様々な選択基準がある。
一本の水を買うにも、なんとなく買う人は多いが
価格か、デザインなのか、内容量なのか、機能性なのか、
何かしらの選択基準がある。
その、"選択基準"をコントロールしなければ、
『この水は安いですよ。買ってください。』
と言ったところで、
『いや、機能性いまいちじゃん』と
別の選択基準で断られてしまう。
一方、『水選びの基準って、やっぱり機能性ですよね』と
商談中に合意していれば、機能性で選んでもらえる。
これを実施するにはまず、自社商品と他社品の差別化ポイントを明確にすることだ。
注意すべきは、
ウリにしたい点≠強み ではないことだ。
多くの営業マンが陥ることだが、
『うちの商品はおしゃれだ』というポイントをウリにしていても、
他社品の方がおしゃれだということは多々ある。
このポイントでアンカリングを掛けると、
『おしゃれな商品を選ぼう』⇒『じゃあ競合Aの商品がいいよね』と
なってしまう。
徹底的に自社品と他社品の強みと弱みを洗い出し、
“勝てるポイント”でアンカリングを設定することが必要になる。
強みから逆算したアンカリングだ。
また、アンカリングを掛ける際には、ステップ2の
"プロとしての信頼"を獲得できていないと刺さらないので要注意。
中立的かつ専門的な知識で顧客との間に情報格差を取り、
『この人の言うことなら信頼できる』というポジションを
確立できていれば、
『水選びのポイントは機能性ですよ』⇒『たしかに』と
アンカリングを掛けることができるのだ。
そのうえで、根拠を持って
①○○(理由・根拠)だから
②●●の基準で選ぶべき
というトーク仕立てにするとアンカリングが掛かる。
(顧客を、自社品が有利な基準での商品選びに誘導することができる)
なので、先ほどの水の例では
①水ってどれもほとんど変わらないですよねー
②でも水をよく飲む人って健康のために飲みますよね
③なんかCMとかでおしゃれなイメージの水とかもありますけど、
100円払って水飲むのであれば、健康になれるものがいいですよね
④水で健康になるには、実は"マグネシウムの含有量"がポイントなんですよ
⑤なぜなら人間の体は~~(根拠となるデータを示す)
⑥森の水とか、海外の水とか、海の水とかいろいろありますけど、
最終的にはマグネシウム含有量で判断すれば間違いないですよ
とトーク展開すればお客さんは"水選びはマグネシウム含有量が大事"と
刷り込まれるのである。
(本当にマグネシウムが大事かは私は知らないが)
このようにどんな商品であっても、
どんなに小さなポイントであっても自社に有利なように
アンカリングを掛けて自社有利に商談を進めることは可能である。
これが営業マンの腕の見せ所である。
このアンカリングを自在に操る能力を備えれば、
どんな業界のどんな商品でも、再現性を持ってハイパフォーマーに
なることは可能になるので是非習得していただきたい。