sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Science Lab.代表 中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。https://sales-science-lab.github.io/

強い営業組織の作り方

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"名プレーヤー、名監督にあらず。"

よくスポーツの世界で聞く言葉だ。

これは営業の世界にもよく当てはまる。

 

優れた実績を残してきた個人は得てして昇進し、

マネジメントの業務を担うことになっていくことが多いのだが、

日本の営業組織の課題はここにある。

 

営業というものはその個人の属人的な活動によって成り立つ部分が多く、

また多くの優秀なセールスパーソンは自身の成功要因について

ただしく体系化できていないことが多い。

 

その為、部下ができた際にも適切にコーチングしたり

マネジメントすることができないのである。

 

そして“なぜこんなこともできないんだ”と、部下を叱責したり

詰めたりすることでどんどん業績は上がりづらくなり、

チームのモチベーションも低下する。

 

これがよくあるパターンである。

 

では勝てる組織はどのようにチームマネジメントがされているのか。

 

これには二つのアプローチがある。

 

一つは、

個人に対しての再現性の高いスキルをインストールすること。

 

そしてもう一つは、

組織としてのプロセス管理である。

 

プロセス管理というのは、

KPIという形で進捗管理がされていたり、

管理はされずとも集計しリーディング指標として

分析することで課題発見し改善に活かされていたりする。

 

契約までの営業活動をアクションベースで細分化し、

そのアクションを行ったか否か(B2Bの場合)、もしくはその数字を拾い、

歩留まりの推移(B2Cの場合)から追跡する。

 

ポイントは、あくまでも"これをやれば採用になる"という

精度の高いアクション項目を過去のデータより洗い出し、

営業の負担をできるだけ増やさないように管理していくことである。

 

例えば製薬会社でMRをしていた時の経験から示すと、

 

①面談可否、月間面談数(アポイント面談含)

②アポイント可否、月間アポイント数

~~~~~~~ここまでは数値管理

③説明会(プレゼンテーション)をしたか

④キーマン契約承諾を得られたか

⑤申請書サイン依頼者特定をできたか

⑥薬剤部説明会(プレゼンテーション)をしたか

⑦薬剤部許可が出たか

⑧サンプル品提示をしたか

⑨試験薬導入をしたか

~~~~~~~ここまではYes/Noでチェックし管理

 

まだほかにもあるがシンプルにやるとざっとこんな感じである。

この管理をオープンボードでできていれば"これができていない"と

進捗管理できる。

これを週次かつ得意先別にアップデートする。

 

B2Cの住宅会社ではこのような形だろう。

①接客数

②アンケート回収数

③長時間接客数(1時間、2時間など)

④着座数

⑤次回アポイント取得数

④プラン提示数

⑤イベント参加数(完成見学会など)

⑥契約数

 

これらの数から①⇒②、②⇒③、のように歩留まり(確率)を

計算し、どこの歩留まりが低いのかを特定する。

 

特定したら、その中でどのような打ち手があるのかを洗い出し、

なぜ歩留まりが低いかという課題を特定し、

それを解決するためのパッチを充てる施策を入れる。

 

この繰り返しができていれば、

常に組織としてのPDCAは回り続け、強いチームが出来上がる。

 

今まで見てきたどの企業においても、

強いチームはこれを実行しており、

弱いチームにはこの仕組みがないことがほとんどであった。

 

また、これを実行することで売れるチームが

出来上がっていくことも経験している。

 

是非、営業チームのマネジメントにお困りの方は参考にしていただきたい。