ザイオンス効果×刷り込み効果
"ザイオンス効果"という言葉はご存知だろうか。
日本語で言うところの、"単純接触効果"である。
よく、恋愛でこの効果について語られることが多いのだが、
むろん、営業に関しても同じである。
これはアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果のことである。
どのようなものかというと、
"人間関係において、相手のことを知れば知るほど(会う回数が多ければ多いほど)
相手に好意を持ち、信頼しやすくなる"
という効果である。
心理学なので当然、恋愛においても営業においても原則適用できる。
このザイオンス効果と、"刷り込み"を掛け合わせることで、
相手を不快な気持ちにさせることなくクロージングし成約に至る確率を
グッと上げる事が出来る。
これは小さなテクニックで、直ぐに実践できるものだが、
単純に"知らない"、"意識していない"というもったいない営業マンがほとんどである。
では営業でどのようにこの二つの効果を活用するか。
①出来るだけ多く、顧客と接点を持つ(訪問、商談会数)
②何度もリマインドし思い出させる
これだけである。非常にシンプル。
顧客は自分以外にも数多くの営業マンからアプローチされており、
その数は、残念ながら市場の大きい顧客であるほど多いのが常である。
何十社もの営業マンが狙っていることは珍しくない。
そこでどれだけいい話をしても直ぐに内容を忘れられてしまうのは想像に難くないのではないだろうか。
だからこそ、自分・商品を徹底的に相手の意識に定着させることが成約への大きな第一歩となる。
ただ、"単純に訪問、商談の回数を増やせばいい"という訳ではない。
それではただただ労力を割き、生産性を落として疲弊するだけである。
なので効率よくPRしなければならない。
方法としては、
①接触回数
→普段と違う場所で会う、普段と違う時間帯に会うなど、
たとえ、商談出来ないような会い方でも良いので回数を稼ぎ自分の存在をアピール。
→他の営業より顧客に会い、印象が残るだけでイメージアップ。
②リマインド
→ことあるごとに、「先日お話しした××の件ですが、、」と口に出す。
大事なことは何度でもリマインドし、徹底的に記憶に定着させる。
ただ、目的は、"相手に伝えること"ではなく、"思い出す作業をしてもらう"こと。
→何度も思い出し、商品や商談内容を深く理解するようになる。
「知っている」ではなく「理解している」となることで"納得"する。
これは営業マンに説得される行為ではないところがポイント。
これにより自主的に購買行動に至る。
また「先日お話しした××の件」という際の××は、製品の特徴である必要なない。
過去に自分とその顧客が話した会話内容を思い出してもらうのだ。
こうして、ザイオンス効果で"自分"を売り込み、
リマインドで"商品"を記憶し理解してもらう。
これが、参入プレーヤーの多い業界においては、最大の競合優位性となる。
こうすることによって、
顧客から見た、【自分の価値×商品理解】が最大になったとき、売上は飛躍的に伸びる。
"押し売り"で相手の意思を汲まない営業が通用しない時代になっているからこそ、
"顧客が自分の意思で選択する"ための心理的アプローチが必要である。