sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Science Lab.代表 中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。https://sales-science-lab.github.io/

GAPで期待値コントロール

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不良が善行をすると、ものすごく評価が上がる。褒められる。モテる。

これは誰もが知っていることではないか。

これが期待値コントロールに応用できる。

 

もちろん私は不良ではないが、ここから着想を得て営業活動に活かした。

このギャップを自ら作り出すセルフブランディングのし方と、注意点をお伝えする。(顧客に何度も顔を合わせるルート営業に非常に有効)

 

【私の事例】

①見た目でインパクトを残す。

・スーツを少し派手にする

・ネクタイ、ビジネス小物で個性を出す。

・健康的に見えるよう少し日サロで肌を焼く

などなど。

※お洒落感や清潔感は大事にしつつギリギリのラインを攻める

→”デキそう”と好評or”チャラそう”と不評かのどちらかの印象を持たれる。

 

②初商談の際には極めて謙虚に、物腰柔らかく、下から下からの姿勢を貫く。

(GAPその1、「え、意外。。」と思わせる)

・1トーン高い声で話す

・少しゆっくり喋る

・絶対にプッシュしない

→見た目とのGAPで顧客は少し拍子抜けする。”え?”と印象に残る。下手をすれば少し”気になる”くらいに思われる。

 

③2回目~、要点は押さえつつ”少し馬鹿なふり”をする。

(GAPその2、「あ、でもやっぱり見た目通りかな?でも憎めない」と思わせる期)

・趣味、遊び、時事ネタ等、顧客の食いつく話題で警戒感を解き、人対人の関係性で仲良くなる

・よく笑う

・失敗ネタで笑いをとる(自己開示)

・仕事関連の話は先方がニーズを見せたときのみ、適切に対応(勉強は怠らない)

※ここでも絶対プッシュしない

→信用は出来る。ただ、”ちょっとアホなのかな”くらいに思われる。

自分の弱みをさらけだし相手の警戒心を解きながらも良き相談相手に徹する。ここでニーズ把握。

 

④ニーズを把握し、打ち解けたら営業モードへ!

(GAPその3、「あ、でもやっぱり営業モードになったらこいつ、すごいな!」と思わせる期)

・ニーズに合致した提案をする

・否定的反応も準備通り余裕でハンドリング

・最後はがっちりクロージング

→関係性もできており、メリットも感じられる。信用しているし、彼なら大丈夫だろう。と思われる。

 

お気づきだろうか。GAPは二回作っている。下げて→上げて→下げて→上げる、と言った具合に。

不良の善行理論、恋愛でツンデレが相手の心を弄ぶ理論と同じ、いや、そのバージョンアップである。

さらには、チャンス到来まで爪を隠すことにより、

アイドルオタクの心理と同じように、”自分が成長させてやっている”感を持たせる事にもなる。

 

”意外!”と思わせるところがポイントである。が、失礼は無く、信頼も得ながら、というのが前提である。

相手を油断させ、期待値を抑えつつ、チャンスで全力を出す。

むしろ、チャンスをこちらから作りにいくのである。

はじめから”しっかりしているな”と思われても、普通の提案では”まぁそうだよね”程度にしかならない。

 

高低差をつけることで心理ハードルを下げ、より高く跳んだように感じさせるのだ。

各個人のキャラクターによる部分もあるが、原理原則として非常に有効である。

各人にあった形で応用していただければ幸いである。