sales_scientist_nakatani’s blog

「営業というアートを科学する」Sales Science Lab.代表 中谷真史のブログ。 慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて入社した外資系製薬会社にてトップセールスを経験。 その後、総合系コンサルティングファーム、独立系セールス・マーケティング領域の経営コンサルティングファームを経て、 営業コンサルタントとして独立。SaaS系Sales×Technologyスタートアップにも勤務。https://sales-science-lab.github.io/

商談のゴールデンスタンダード

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今までの営業としての経験ならびにセールスのコンサルティングにて培ったナレッジをもとに、商談のゴールデンスタンダードをまとめた。

いわば営業の必勝パターンである。

 

顧客と顔を合わせてから受注に至るまでのフローをまとめたものだ。

初めて会った段階では競合に対するアドバンテージはなく、

契約段階ではNo.1またはOnly 1の状態になっている。

 

この状態になる為にはどの様なステップを踏む必要があるのか。

 

大きく4項目、10種類のアクションに分類した。

 

大きな流れを捉えると、

①信頼関係構築

②ニーズ把握

③顧客コントロール

④サジェスチョン

となる。

 

つまり、

仲良くなって

→欲しいものを知り、

→欲しくなるように仕向け、

→買っていただく。

 

という流れだ。

 

その為に行うことが10種類ある。

 

1.好感獲得(信頼関係構築)

⇒顧客から最低限嫌がられず話を聞いて貰える状態を作る。

 理想は、好感を持たれ、且つ興味を持って頂けている状態。

 

2.プロとしてのポジション獲得(信頼関係構築)

⇒商品や業界について顧客との間に情報格差があることを示し、

 中立的にアドバイスすることによってプロとしての信頼を獲得する。

 

3.ビジョン共有(ニーズ把握)

 ⇒商品選びというレベルから、理想とする生活、生き方など上位概念に話を引き上げ、

 顧客の理想や夢を広げていくヒアリングによりニーズを発掘する。

 

4.問題点共有(ニーズ把握)

 ⇒現状の不満ポイントならびに、理想と現在のGAPを引き出し、

 満たされていないニーズを確認する。

 

5.期待値調整(顧客コントロール)

 ⇒“ニーズ把握”で広げた風呂敷を畳むイメージ。理想を描き、購買意欲と商品への

 期待が高まったところで、夢への第一歩としての商品価値を摺り合わせる。

 

6.オブジェクションハンドリング(顧客コントロール)

 ⇒“買わない理由”を否定せずにハンドリングすることで、買わない理由を解消する。

 事前に想定反論を洗い出し、応酬話法を用意しておくこと。

 

7.アンカリング(顧客コントロール)

 ⇒商品を選択する際の判断基準を設定すること。

 自社品の強みが活きる土俵で勝負するための事前刷り込みを行う。

 

8.差別化(サジェスチョン)

 ⇒アンカリングで設定した判断基準で他商品と区別することで必然的に

 自社品が有利となる差別化がなされ顧客に選択される。

 

9.イメージ喚起(サジェスチョン)

 ⇒購買直前の不安感を解消するため、実際に使用した際のイメージやメリットを

 喚起し、更に買いたい気持ちを高めていただく。

 

10.クロージング(サジェスチョン)

 ⇒ここまでの商談のリマインドにてメリット/デメリットをまとめる。

 デメリットを改めてハンドリングすることで合理的な判断であると確認する。

 その上に”思い”を乗せ顧客の背中を押す。

 

 以上のようになる。

この流れで商談を進めるとストーリー性ができ、

自然と顧客を誘導する事が出来る。

(ナビゲーションセールスと密接に関わるのでそちらはまた今度記載する。)

 

 各アクションの詳細についても次回以降追加で記載していくので

続編を乞うご期待。

帰納法的仮説構築力の重要性

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非常に重要な営業力の一つがタイトルの通り、

帰納法的仮説構築力である。

 

特にB2B営業に於いては、

"仮説の精度"が提案力に繋がり、契約歩留まりの向上に寄与する。

 

仮説の精度が高いと、

・「この人はよく分かっている」と信頼性が向上する

・提案が刺さる確率が向上する

 

この2つのメリットがある。

(この2つは独立したものではなく関連性が高いものだが)

 

この帰納法的仮説構築力を高めるためのアプローチは2つある。

①インプット量を増やすこと

②情報を繋ぎ合わせ、仮説を立てる習慣を身に付けること

 

以上の2つとなる。いたってシンプルである。

 

通常の営業マンは、商談中も外部環境的にも、

Webで公開されている情報に関しても、

情報を素通りしてしまっていることが多いのが現状であるように思う。

 

「これを提案したら刺さるだろう」という感度が低いのだ。

 

それは、情報をキャッチできていない(気付いていない)または

気付いていてもそれを繋ぎ合わせて想像することができていない、

というのが原因である。

 

事象と事象を繋ぎ合わせ、そこから仮説を立てる。

 

そのためには業界情報、社会のトレンド(経済に関しても、単純に食やファッションなどに関しても)を掴んでいることが最低条件となる。

 

このインプットを増やすことで、気付きの幅も深さも増す。

 

そうすることで、

・今日は月曜日である

・雨が降っている

⇒週の始めだから内勤業務が溜まっているだろうし、

 雨で外に出たくないはずだから外出せず社内にいるだろうな

⇒アポ取りやすいだろうな

 

という仮説が生まれる。

シンプルな例だがこの積み重ねで行動が変わる。

 

これが契約歩留まりが高い営業マンと低い営業マンの

積み重ねの違いである。

 

このような思考を意識せずともできるようになるためには

日々、勉強・インプットし、そこからどんな示唆が得られるかを

考え、トレーニングし続けるしかない。

 

強い営業組織の作り方

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"名プレーヤー、名監督にあらず。"

よくスポーツの世界で聞く言葉だ。

これは営業の世界にもよく当てはまる。

 

優れた実績を残してきた個人は得てして昇進し、

マネジメントの業務を担うことになっていくことが多いのだが、

日本の営業組織の課題はここにある。

 

営業というものはその個人の属人的な活動によって成り立つ部分が多く、

また多くの優秀なセールスパーソンは自身の成功要因について

ただしく体系化できていないことが多い。

 

その為、部下ができた際にも適切にコーチングしたり

マネジメントすることができないのである。

 

そして“なぜこんなこともできないんだ”と、部下を叱責したり

詰めたりすることでどんどん業績は上がりづらくなり、

チームのモチベーションも低下する。

 

これがよくあるパターンである。

 

では勝てる組織はどのようにチームマネジメントがされているのか。

 

これには二つのアプローチがある。

 

一つは、

個人に対しての再現性の高いスキルをインストールすること。

 

そしてもう一つは、

組織としてのプロセス管理である。

 

プロセス管理というのは、

KPIという形で進捗管理がされていたり、

管理はされずとも集計しリーディング指標として

分析することで課題発見し改善に活かされていたりする。

 

契約までの営業活動をアクションベースで細分化し、

そのアクションを行ったか否か(B2Bの場合)、もしくはその数字を拾い、

歩留まりの推移(B2Cの場合)から追跡する。

 

ポイントは、あくまでも"これをやれば採用になる"という

精度の高いアクション項目を過去のデータより洗い出し、

営業の負担をできるだけ増やさないように管理していくことである。

 

例えば製薬会社でMRをしていた時の経験から示すと、

 

①面談可否、月間面談数(アポイント面談含)

②アポイント可否、月間アポイント数

~~~~~~~ここまでは数値管理

③説明会(プレゼンテーション)をしたか

④キーマン契約承諾を得られたか

⑤申請書サイン依頼者特定をできたか

⑥薬剤部説明会(プレゼンテーション)をしたか

⑦薬剤部許可が出たか

⑧サンプル品提示をしたか

⑨試験薬導入をしたか

~~~~~~~ここまではYes/Noでチェックし管理

 

まだほかにもあるがシンプルにやるとざっとこんな感じである。

この管理をオープンボードでできていれば"これができていない"と

進捗管理できる。

これを週次かつ得意先別にアップデートする。

 

B2Cの住宅会社ではこのような形だろう。

①接客数

②アンケート回収数

③長時間接客数(1時間、2時間など)

④着座数

⑤次回アポイント取得数

④プラン提示数

⑤イベント参加数(完成見学会など)

⑥契約数

 

これらの数から①⇒②、②⇒③、のように歩留まり(確率)を

計算し、どこの歩留まりが低いのかを特定する。

 

特定したら、その中でどのような打ち手があるのかを洗い出し、

なぜ歩留まりが低いかという課題を特定し、

それを解決するためのパッチを充てる施策を入れる。

 

この繰り返しができていれば、

常に組織としてのPDCAは回り続け、強いチームが出来上がる。

 

今まで見てきたどの企業においても、

強いチームはこれを実行しており、

弱いチームにはこの仕組みがないことがほとんどであった。

 

また、これを実行することで売れるチームが

出来上がっていくことも経験している。

 

是非、営業チームのマネジメントにお困りの方は参考にしていただきたい。

 

インサイト営業の実践方法

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今回はインサイト営業(インサイトセールス)の実践方法について記載する。

 

インサイト営業については以前より記事に記載しご好評いただいているが、

 

「実際どのように実践したら良いのでしょうか?」

 

という問合せをいただいているので、

今回はその一つのポイントをお教えする。

 

キーワードは"現場主義"である。

 

そもそも、インサイト営業とは、

顧客がまだ気付いていないニーズを発掘し、提案していくというスタイルである。

 

この、"顧客がまだ自分自身でさえも気付いていないニーズ"を

営業マンが発掘することは非常に難易度が高い。

それ以前に、自分でわからないことが他人にわかるのだろうか、と思われるだろう。

 

従来の営業は、

顧客と接する営業マンが、顧客の顕在ニーズを取得しソリューションを提案してきた。

たしかにこれでは顧客のニーズを上回る提案はできない。

情報不足である。

 

しかしこれからのインサイト営業では、

顧客がその製品を利用している現場に営業が行き、そこで潜在課題を発見する。

(正確には、現場に行かないでもある程度は仮説ベースで提案できる)

 

これにより、顧客以上に現場のことを知る事ができれば

顧客に新たな気付きを与える提案をすることができる。

古いようだが、現場は絶対である。

 

先日、私自身がインサイト営業によって

高いスーツを買わされてしまったので、その事例を一部抜粋で紹介する。

 

スタッフ:以下、「ス」

自分:以下、「自」

 

ス:どのようなスーツをお探しで?

自:仕事用ですね

ス:失礼ですがどのようなお仕事です?

自:経営コンサルです

ス:となると、経営者の方とお会いになることや大事なプレゼンが多いのでしょうか?

自:そうですね

ス:でしたら、見た目も非常に重要になるご職業ですね

自:そうですね

ス:お若く見えますが凄いですね

自:見た目が年齢以上に若く見えてしまうんです、、

ス:そうでしたか。でしたらスーツで威厳や貫禄を出せるように

  セルフブランディングしてみませんか?

自:そんなことできるんですか?

ス:ラペル幅を太めにして貫禄を出して、パンツは細くなると

  若くなりすぎるのでワンタックのテーパードにして、

  釦は水牛の暗めの色味で、裾はダブルの4.5cmくらいにすると、、

  こんな感じになります。いかがでしょう?

自:めちゃくちゃいいですね。今までスーツでこんな提案されたことなかったので

  凄く欲しくなりました。僕に一着作ってください。

 

という感じで即決してしまった。

 

その後も、私の「こうしたい」に対し

「それではチープ感が出てしまいコンサルタントに相応しくありません。

こっちの方が良いですよ」

と、キツめのアドバイスが有り難かった。

 

これぞ真にインサイト営業である。

 

私は、何となく「お洒落なスーツが作れるのかなぁ~」程度で考えていたが、

自分でも気付いていなかった"スーツ(見た目)で仕事を有利にする"という

ニーズを発掘し、それを解決する提案をしていただけた。

 

これにより心が一気に"欲しい!"と傾いたのが実際の感想である。

 

このように、実際の商品・製品の利用現場を如何に知る(orイメージする)か、

が、インサイト営業の極意である。

 

この事例のように、以外と身近にインサイト営業をしている人が

いるかもしれないので是非回りを見渡して参考にしていただきたい。

センスのない営業マンの勝ち方

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一般に言う、“営業のセンス”がない人でも、

トップセールスになることは可能である。

 

まず、営業というのは、

「①顧客の”買いたい気持ち”を高め、②”買いたくない気持ち”を解消すること」と言える。

 

なので“売れる営業”というのは、

 

①めちゃくちゃ上手に商品の魅力を伝え、

 顧客の”買いたい気持ち”を高められる人

 

②顧客の”買いたくない理由”をなくせる人

 

③ ①と②を併せ持った人

 

の3パターンに大別される。

 

その際、「自分、センスないなぁ」と感じる人の勝負する道は、

②を極めることが重要である。

 

②を極めている状態とは、

ただ一言、「これ、買ってください」と言ったら、

顧客が「買います」という状態である。

 

これは顧客の、

購買に対するネガティブマインド=ハードル

がゼロの状態とも言える。

 

つまり、”買いたくない理由”がなければ、人はモノを買うのである。

 

なので、商談を通じ、“ハードルを下げる”活動を積み重ねていくことで、

断られる可能性を下げていきましょう、というのが営業活動となる。

 

同じ事を言うが、

ハードルを飛び越えようと高くジャンプするのではなく、

ハードルを下げる作業をすれば誰でもそのハードルをまたぐことができる。

 

この、ハードルの下げ方というのは意外と簡単である。

「自分が客だったら、こんな人から買いたいなor買いたくないな」

と想像するだけで、簡単にやるべき事は見えてくる。

 

例えば、

「やっぱり、相手がどんな人なのかもよくわからないのに、

信頼してその営業マンから買えないな」と思ったら、

仲良くなって信頼してもらうために、

・自己紹介に力を入れる

・雑談で趣味を聞き出し、その話題で盛り上がる

・訪問頻度を上げ、好印象を持っていただく

などが対策として挙がる。簡単。

 

例えば、

「今買わなくてもいいや」と思っている顧客への対応だったら、

・今の問題点を深掘りし、課題を明確にし、共感する

・そのままにしておくことのデメリットやリスク、コスト負担などを教えて差し上げる

・こういうの、解決できたらいいですよね、と合意する

などで、かなりハードルが下がる。

 

当たり前のようだが、チャンス(ニーズ)を見つけて攻め込むのではなく、

「断る理由がなくなるまで環境を整える」という事が大事。

その環境は、人間関係構築や情報収集などで概ね整えられる。

 

こうした積み重ねがあれば、

どんなに営業センスのない人間でも、トップセールスになれる。

 

断られる事がニーズ発掘の第一歩

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「顧客のニーズは何だ?」

よく現場で上司から言われる言葉ではないだろうか。

 

それを正しく把握できている営業はどれくらいいるのだろうか。

 

そもそも、「ニーズ」というのは、そう簡単には見つからない。

表面化しているニーズなんて、誰かがすでに叶えていて、

商談しても「もう今使っている製品で満足しているから新しいのはいらない」と

断られるのがよくあるケースだ。

 

まず、本当のニーズなんていうものは、

会ってすぐの信頼してもいない営業マンに対してさらけ出すわけがない。

 

なので、「あなたのニーズはなんですか?」と聞いても答えてくれない、

もしくは、そのニーズは本心ではない。

 

もっと言えば、顧客本人さえ、自分のニーズが何なのかすらわかっていないケースが多いだろう。

 

そこで、タイトルの通り、【断られる事がニーズ発掘の第一歩】となる。

 

つまり、トライアルクロージング(テストクロージングとも言う)によって、

一度断られ、そこから本心や真のニーズを探っていくということである。

 

流れとしては、

・飽きられない程度に簡潔に商品紹介

→メリットについて合意

→「いいですよね。買ってくれますか?」

といった感じである。飽くまでも、サラっと、軽いタッチで。

 

え?こんな簡単なの?(むしろ営業へたくそか!)と思われるかもしれないが、

ここで一回断られるのが大事なポイント。

 

この先の商談で意識しなければならないのは、

「何を求めているか」という視点ではなく、

「なぜ買わないのか」という視点に切り替えて話を深堀りすることである。

 

つまりWhatではなくWhyでの商談。

 

“買わない理由”を深堀りすることで、相手の真のニーズが見えてくる。

すると、「こういうのが欲しい」と言っていたものとは違うケースが出てくる。

 

それが、【潜在的ニーズ】である。

(本人も気付いていなかったニーズ)

 

これに気付かせることができ、それに対し合意でき、

自社商品によって叶えることができたときにはほぼ必ず売れる。

(「商品がよくないから売れない」というよくある言い訳は、相手のニーズを捉えきれていないが故に、無意味なセールストークでその商品の価値を落としている可能性がある)

 

大まかなトークフロー

・なぜ買わない?(深掘り)

→それはなぜ?(深掘り)

→それはなぜ?(深掘り)

→それはなぜ?(深掘り)

→ということは○○ということ?(認識合わせ)

→それはもしかして××にお困りということではないか?(課題合意)

→そういうのって大変ですよね、お困りの方多いですよね(共感)

→それならうちの商品のこういう面で役に立てるのでは?(解決策提示:後出しじゃんけん)

 

このような商談の型を実践することで、

顧客との信頼関係は強固になり、

成約率もアップする。

コミュニティ形成し顧客と仲間になる

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コミュニティ形成のうまい営業マンは

業績が良いように思う。

 

これは何故か。

 

①共通の話題、秘密の共有による親近感

②口コミの利用

③新規顧客の紹介獲得

 

これらによって非常に営業がしやすくなるからだ。

この三つは、通常の営業手法ではそう簡単にリーチできない、

いわば飛び道具になる。

これだけで一発逆転、という数字を作れるインパクトのある

戦術であるが、難易度は高い。

 

この上記三つのメリットが何か、紹介する。

 

①話題、秘密の共有による親近感

人は、よく知らない相手に対しては当然警戒心を持つ。

なので当然営業をかけてもハードルは高い。

 

しかし、仮にあまり知らない相手でも例えば、

互いに同じ野球チームを応援していたら話は弾むだろう。

 

そして勝手に「仲間だ」と感じたりする。

 

そうなると、相手のことは実はよく知らないのに、

「よく知っている」という気になるのである。

 

このようにして、共通の話題、趣味などを持つ人間を集めれば

自然と仲間意識は芽生える。

 

そのコミュニティの話題や、

もっと言えば「二人だけの秘密」などがあれば営業としては最強である。

 

こういった話題のある関係性(コミュニティ)を意図的に作ることさえできれば、

顧客の購買ハードルを下げることは容易になるわけである。

 

②口コミの利用

その共通の興味を持つ人間を二人以上集めれば一つのコミュニティの

できあがりである。あとはこれの人数を少しずつ増やしていくことだ。

 

そのコミュニティでは、皆がとある一つの興味という軸で

同じベクトルを向いている訳なので、互いの言葉は信頼しやすい環境である。

 

ここで誰かが、自分の評判を上げてくれると、他の人が直ぐに、

買ってくれたり、買ってくれそうな人を紹介してくれたりするのである。

 

この口コミのパワーは、普段の地道な営業活動がばかばかしくなるほどだ。

 

また、自分は既に信頼を獲得している状況に等しいので、例えば

「Aさんを攻略したいので、Aさんと仲良いBさん、協力してくださいよ」

という多少図々しいお願いもできる。

 

③新規顧客の紹介

上記の協力依頼と同じで、紹介依頼もし易い。

当然、仲間だと思われていれば新たな顧客を快く紹介してもらえる事は多い。

 

これにより新規開拓の時間は大幅に短縮される上、

紹介では見込み客の質が高いので当然成約率も高く、

非常に有効な打ち手となる。

 

この三つの理由により、コミュニティ営業最強説を唱えたい。

 

こうして仲間が増えていくと自然に、

自分の周りに人も情報も集まってくる。

こうすれば営業としては向かうところ敵なしである。

 

顧客からも、代理店などからも、競合からも頼りにされる存在になれる。

 

 

人は共通の話題を通じて相手を信頼したり、

親近感を感じたり仲間意識を持ち、特別扱いしたくなる習性があるので、

これを利用すれば顧客の購買意欲を掻き立てることはそう難しくなくなる。

 

ただ、そもそもコミュニティを作れる信頼を獲得できるまでの

段階が、営業の難しいところなのかもしれないが。